急増する難民を受け入れるための環境整備が、喫緊の課題となっている。
・空き部屋を貸し出すホストと難民とをつなぐ“難民のためのAirbnb"
ドイツの首都ベルリンでは、2014年11月、空き部屋を貸し出すホストと難民とをつなぐオンラインプラットフォーム「Flüchtlinge Willkommen(英語名:Refugees Welcome)」を開設。
空き部屋の貸主と借主をマッチングする仕組みが似ていることから、“難民のためのAirbnb”とも呼ばれ、難民の住空間の確保をサポートしてきた。
具体的な流れとしては、まず、空き部屋を提供するホストが物件の情報を登録。
各地域で活動する難民支援団体が、借主の候補者を選定し、ホストと候補者の双方の条件が合えば、部屋の貸し出しを開始する。
なお、家賃は、州政府から難民に支給される支援金や一般市民からの寄付、クラウドファンディングなどによって、まかなわれる仕組みだ。
・シェアリングエコノミーが社会的課題のソリューションに?
Flüchtlinge Willkommenは、現在、ドイツとオーストリアで展開。
780人以上のホストが登録し、これまでに140名の難民がこのプラットフォームを通じて、新たな住まいを得ている。
また、2015年8月にパリで「CALM(Comme A La Maison)」が創設されるなど、Flüchtlinge Willkommenと同様のプラットフォームは、他の国々にも広がっている。
Airbnbに代表される住空間のシェアリング・エコノミー(共有経済)が、難民支援のソリューションとして活用されている点からも、注目に値する取り組みといえるだろう。
Flüchtlinge Willkommen