かつての熱狂的なリスナーに対し、彼らの聴き方は実にドライ。
音の世界観にどっぷりはまるのではなく、その場の空気に合わせて、フレキシブルに楽しむ方法が、今は主流だ。
そんな背景を受けて登場したのが、この「レミファ」である。
専門用語を使わず、わかりやすい言い回し・表現で音楽の広く深い世界を伝える、これまでにない音楽情報サイト。
そこから彼らの興味を呼び起こし、最終的に音楽ファンの底上げを図っていくのが狙いだ。
コンテンツ制作を手がけるのは、合同会社こぶね。レミファ編集長、犬養 拓(いぬかい たく)氏が、取材に応じてくれた。
・潜在的な音楽好きのための“開かれた”音楽サイト
Q1:まずは、「レミファ」提供のきっかけから、お聞かせください。
僕はこの5〜6年間、1年のうち100日ほどは、ライブやフェスに通っていたぐらいの音楽好きです。
ただ、周りには「もともと音楽は好きだけど、どうやってお気に入りの曲を見つけたらいいかわからない」という人や、「昔は音楽をよく聴いていたけれど、最近はあまり聴かなくなった」という人がたくさんいました。
そういう“潜在的な音楽好き”は、とても多いと感じていて、そういう人たちでも、とっつきやすいように音楽の魅力を伝えたい、と思ったのがきっかけです。
Q2:「レミファ」とは、どんなサイトなのでしょうか。
めざしているのは、“音楽にハマる人を増やす”ことです。すでに音楽が大好きな人というよりは、よりライトな人たちに向けて、曲を紹介したり、音楽の世界を広げられたりする記事を発信します。
そのためには、例えば小難しい音楽用語は使わないなど、通常の音楽メディアとは違う書き方・伝え方をしなければいけませんし、そこが「レミファ」として最もこだわりたいところでもあります。そういった意味でも、なるべく“開かれた”音楽サイトになりたい、と考えています。
・“音楽にハマる人を増やす”を目標に多彩な活動を展開
Q3:コンテンツ制作で最も苦労しているのは、どんなところでしょうか。
“やさしい音楽サイト”と銘打っていますが、音楽にそこまで詳しくない人にどうすれば、“やさしく”なれるのか、どうしたら私たちの目的である“音楽にハマる”状態になってくれるのか、ということに最も神経を使っています。
僕を含め、協力してくれている約30人のスタッフも、音楽が好きな人たちが多いので、どれだけ“ライトな音楽ファン”の感覚に寄り添えるか、という点に、常に気を使っています。
Q4:「レミファ」を、どのようなサイトにしていきたいとお考えですか?今後の展望について、お聞かせください。
サイトとしては、まだまだ知名度もPVも低いので、当然それらを上げていくことは必須課題です。
ただ、私たちは“音楽にハマる人を増やす”ということを、本質的な目標にしており、自社サイトの運営以外にも、例えばライトな音楽ファンの方でも、参加したいと思えるようなイベントの開催や、他媒体への記事提供・記事執筆を通じて、親しみやすい音楽コンテンツを日本に増やすことも、めざしています。
そうして、自社サイトの発展とそれ以外での活動を通じて、ミッションをかなえていきたいと思っています。
リスナーの変化に反して、実際はまだまだ旧態依然としたものが多い音楽メディア。本サイトを皮切りに、新しい価値観が生まれることを期待したい。
やさしい音楽メディア レミファ