・世界最小レベル、直径2mmの超小型コンピューター
以前、Intelのスティック型コンピューターを紹介した。ミシガン大学に所属するコンピューター科学の専門家David Blaauw氏が中心となって開発している「Michigan Micro Mote(M3)」は、それと比べても断然小さい、世界最小クラスのコンピューター。
なんと、大きさは直径2ミリメートルほどという、超小型のコンピューターなのだ。
・バッテリーの小型化に注力
チームではコンピューターを小型化するために、バッテリーに注目した。動作するのに必要な電力を極力抑え、バッテリーを可能な限り小型化し、それに伴ってコンピューター全体のサイズを超コンパクト化することに成功。
・光を使って通信&充電
普通コンピューターは、キーボードやマウスを使って指令を実行するが、この超小型コンピューターの場合、新しい方法を模索する必要があった。
そこで考案したのが、光を使ってプログラムしたり、充電したりする方法。
高周波のストロボライトで「M3」に情報を送信し、解析されたデータは、ラジオ波で別のコンピューターに送られる。
「M3」に内蔵されているPhoenixプロセッサは、スタンバイ状態ならわずか500ピコワットの電力しか必要としない。
またバッテリーは、屋外など太陽光が直接照射される環境でなく、室内であっても十分に充電が可能だという。
・医療分野、産業分野など幅広い用途に活用
この超小型コンピューターは、画像の撮影、温度の読み取り、圧力の記録などに用いることができ、人体内への導入がしやすいため、医療の分野で大いに役立つことが見込まれる。
また、石油産業も関心を示しており、石油を余すことなく採油するセンサー装置に活用できるのではないかと期待されている。
そのほかにも、紛失しやすい鍵や財布などのアイテムに設置して、見つけやすくする……といった使い方も考えられるだろう。その小ささゆえに、幅広い用途で活躍してくれるはずだ。
Michigan Micro Mote