こうした調整を、カーテンやブラインドなしで、そしてスマートフォンなどの端末で行えるスマートウィンドウが米国でじわじわと浸透しつつある。
・スマホで明るさ調整
米企業「View」が開発したダイナミックガラスというのがそれ。イメージとしては車の窓ガラスに貼るスモークフィルムの働きに近い。
しかし、フィルムと違ってこのガラスの中は何層にも分かれていて金属酸化物が入っている。そしてわずかな電圧がガラスにかかると、イオンが層の中を動き、ガラスの色が変わるという仕組みだ。
ガラスの色はスマホなどで段階的に調整できるが、完全に外が見えなくなるということはない。つまり、カーテンやブラインドのように視界を遮断することなく、明るさを調整できる。
・紫外線カットも
どういうときに便利かというと、例えば西日が眩しいとき、ガラスの色を濃くすることで眺めは確保しながらも眩しさを抑えることができる。
また、このガラスには紫外線をカットする働きもあるので、日差しが強いときでもブラインドをおろさなくてもいいことになる。
加えて、眩しさを抑えながら明かりや温度を保つことができることから、View社は「電気代や空調管理費などを抑えられるメリットもある」としている。
100施設で導入、需要拡大
このガラス、オフィスビルや医療施設、官庁など100以上もの施設ですでに導入され、需要は拡大しつつあるという。
そのため、View社はこのほど1億5000万ドル(約186億円)もの資金を調達し、今後マーケティングなどに充てることにしている。
ホテルや展望台、高層オフィスビルなど、眺めを重視する施設を中心に、需要はかなりありそうだ。
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