しかし、現在利用されているプロジェクタは、あくまでスクリーン等の静止した対象物体への投影を、前提としたもの。
プロジェクタから、対象に直接映像を投影して、カメラで捉える、画像センシングシステムの分野では、有効ではないとされてきた。
・共同開発で生まれた世界最速レベルのプロジェクタ
その課題を解消するのが、東京大学の研究室と横浜の技術商社、東京エレクトロンデバイスの共同開発による「DynaFlash」。
Texas Instruments社製DLP DMDチップ(Digital Micromirro Device)と、高輝度LED光源を用い、最大1000fpsで8bit階調の映像を、最小遅延3msで投影できる、世界最速レベルのプロジェクタである。
・速度不足の解消でずれのない映像を実現
1000fpsは、従来のプロジェクタのフレームレートが、30~120fpsであることから考えると、破格の数値。
これにより、ディスプレイの速度不足によって生じていた、映像の大きなずれも解消される。
人間の眼には知覚できないセンシング、特に3次元計測を、飛躍的に高速化することも、可能だという。
すでに、高速移動体へのプロジェクションマッピングシステムの試作も済んでいる「DynaFlash」。
今後は、従来から開発してきた高速ビジョン技術を組み合わせながら、新たな応用展開をめざしていく。
正式な販売は、来年夏頃の予定だ。
DynaFlash/東京エレクトロンデバイス