住民の75%が1台以上の自転車を所有し、都市全体の自転車保有台数は、およそ88万にものぼる。
・自転車を活用したエコでローカルな配達サービス
このようなアムステルダムの“地の利”を活かしたP2P型の宅配サービスが「Tring Tring(トリング・トリング)」だ。
カフェレストラン「SLA」や精肉店「De Pasteibakkerij」、ジュースバー「ROOTS Amsterdam」など、アムステルダムに拠点を構える22カ所のレストラン・ショップが提携。
ローカルビジネスと地元の消費者をつなぎ、地元経済を活性化させようと取り組んでいる。
具体的な流れとしては、消費者がスマートフォンアプリから、Tring Tringの提携店舗で欲しい商品を注文。
クレジットカードもしくはPayPal(ペイパル)でオンライン決済されると、60分以内に指定場所に商品が届く。
Tring Tringの特徴は、Tringer(トリンガー)と呼ばれる一般のサイクリストが、配達を担当している点だ。
自転車とスマートフォンさえあれば、誰でもTringerとして登録可能。
配達1件あたり5ユーロの報酬が支払われる仕組みとなっている。
・他の自転車都市でも応用できそう!
InstacartやNimberに代表されるように、シェアリングエコノミー(共有経済)を活用した配達サービスはすでに広がっているが、Tring Tringは、配送手段を自転車に限定し、環境負荷にも配慮している点が秀逸。
とりわけ、コペンハーゲンやベルリンなど、自転車に優しい都市部で、応用できそうな取り組みといえよう。
Tring Tring