小型の物体や、人物の顔だけの3Dモデルなどは出力しやすくなってきたものの、なかなか人物の全身像となると難しいかもしれない。
・iPadを使い、人物の全身像を簡単にスキャン
そこで活躍してくれそうなのが「itSeez3D」という3Dスキャナーアプリ。以前のバージョンに比べると、150%ほど向上した高解像度テクスチャが再現できるようになったという。
「itSeez3D」は、iPadと、iPadの上側部分に装着して用いる、専用の「Structure Sensor」で動作する。
・連続写真をキャプチャ、リアルタイムでフィードバック
「Structure Sensor」が対象を検知し、オブジェクトの構造や色をキャプチャ。センサーを対象に向け、横から、上からなど、さまざまな角度から連続写真を撮影するような感じで、3Dデータを収集する。
画像データはリアルタイムでキャプチャされ、そのままiPadの画面にフィードバックが反映されていく。
撮影しながら、体のどの部分を網羅する必要があるのか随時提示されるので、撮影者にとってはわかりやすい。
・キャプチャデータは「itSeez3D」のクラウドへ
画像のキャプチャが完了すると、「itSeez3D」のクラウド内に、アプリを通じてデータが送信され、モデル画像が構築されるという仕組みだ。
・誰でも簡単に3Dモデルデータをつくれる
iPadを構えて、ただ対象の画像をキャプチャするだけで、誰でも簡単に3Dモデルデータを完成することができるメリットは大きいだろう。
そのまま、自宅の3Dプリンターで、超リアリティある3Dフィギュアを出力する、なんてこともできてしまう。
・医療やファッション分野など、商業利用にも
個人ユーザーが思い出の品として“出力”して楽しむだけでなく、産業業界で活用することもできそうだ。
例えば、医療分野で患者の3Dモデリングデータを通じて、病気やケガの診断に役立てたり、人体モデルを使って、医療技術の向上につなげたりできるかもしれない。
また、衣料品のデザイン、スポーツ関連商品の開発分野などで、3次元モデルのカタログを制作して、顧客が今まで以上にリアリティを感じる買い物ができるようにしたり、個人の体格にピッタリ合ったサイズ感のアイテムの販売をしたり……といった販促活動にも役立てられそうだ。
他にも、ゲームやアトラクションなどで自分をモデリングし、主人公のキャラクターとして遊ぶ、
なんていう用途も考えられるかもしれない。専用アプリは、誰でも無料で利用可能だ。
itSeez3D