・3Dイメージングをもとに、自閉症の顔パターンを特定
2014年の後半に設立されたミズーリ大学の研究チームでは、“3D画像処理”を用いて、自閉症の子どもの顔を測量し、顔のパターンを特定するという研究を進めている。
遺伝子要因の手がかりを発見するための、スクリーニング検査ツールとしての活用が期待される。
研究チームの中心メンバーは、コンピュータ科学のYe Duan氏、MU Thompson Center for Autism and Neurodevelopmentalに所属する、子どもの健康と遺伝子を専門とするJudith Miles氏ら。2011年に開始された、顔の特徴を特定する研究をベースとしている。
・共通する特徴を検出、“顔マップ”を作成
長年、臨床の現場で経験を積んだMiles氏によると、自閉症の子どもの顔には、共通する特徴が現れるのだという。3D画像の統計学的な分析を経て、ついに研究チームでは“顔パーツマップ”のようなものを生み出すに至った。
この“顔の特徴”は、自閉症のさまざまな兆候と結びついているという。
子どもたちの顔をスキャンして、3D画像の測量データを累積。統計学的診断に役立てようという試みである。
・特徴ごとに、症状の出方・重症度が異なる
2014年におこなわれた実験は、すでに自閉症と診断されている8~12歳の子どもを対象としたもので、特定の顔の特徴パターンごとに、子どもたちを3つのサブグループに分類。
各グループで、自閉症の症状の出方、重症度が異なるという実験結果が出ている。
・遺伝子分析の活用も視野に
チームでは次のステップとして、他機関と協力し、遺伝子分析を活用していきたい意向。顔のパターンと自閉症の症状・重症度との関連について、さらに掘り下げていきたいとしている。
将来的には、まだ自閉症症状が出ていない幼い段階であっても、顔の特徴から、兆候のパターン、重症度がある程度予測できるようになるかもしれない。
University of Missouri