ワイヤレスチャージパッドタイプの充電器は、見た目もスマートで便利だが、決まった定位置にデバイスを配置しないと、うまく充電が作動しないなど、やはり制約はある。
・光の照射で充電するシステム、Microsoftが開発中
もっと充電を自由にしようと、中国のMicrosoft ResearchのYunxin Liu氏、Zhen Qin氏、Chunshui Zhao氏らの研究チームが取り組んでいるのが、「AutoCharge」というシステム。
ユーザーのやることは、ただテーブルなどにデバイスを置いておくだけ。光を照射し、それによって自動で充電をおこなうという、画期的な充電方式だ。
・カメラでオブジェクトをスキャン
このシステムでは、Kinectのようなカメラを活用し、テーブルの頭上側に設置しておく。物体認識のソフトウェアが、テーブルの上に置かれているものをスキャンをし、スマートフォンのような形状かどうかを判別する。
もし、該当のオブジェクトが検知されれば、1秒とかからずに、その対象物に向かって光の照射が開始される。
カメラや光の位置は調節することができるので、置かれたオブジェクトに対し、もっとも適した角度から効率的に照射をすることが可能だ。
・受けた光で電力を発生させ、バッテリー充電
充電したいスマートフォンの方には、光電池パネルを搭載しておく。継続的に照射される光を受けると電力が発生し、この電力によってスマートフォンのバッテリーを充電するという流れ。
研究チームによると、スマートフォンサイズの太陽電池パネルで、普通の充電ケーブルでチャージするのと、ほぼ同じスピードで充電ができるという。
・LEDライトが充電状態をお知らせ
太陽電池パネルにはマイクロコントローラーとLEDインジケーターが搭載されている。光の照射を受けると、LEDライトが一定のパターンで明滅を開始し、充電の状態を知らせる。
カメラがこの明滅パターンを検知したときのみ、そのまま充電が継続される。フル充電状態になると、異なる明滅パターンに変化するので、それを認識した時点で「AutoCharge」は充電を終了。いつまでも無駄な充電を続けてしまう、という事態を回避できるのだ。
・現在はプロトタイプの段階
現時点では、プロトタイプの開発段階にあり、まだまだ製品化するのには時間がかかる見込み。とはいえ、テーブルに置いておくだけで、勝手に充電ができるという手軽さ、1度に複数のデバイスを充電できるメリットなど、さまざまな可能性が広がりそうだ。
AutoCharge