それゆえ、日頃、見慣れた場所に潜む歴史を知ることで、新たな街の魅力に気づくこともあるだろう。
・地図をクリックすると昔の街並みが現れるオンラインマップ
2015年5月21日に公開された「OldNYC」は、ニューヨーク公共図書館(NYPL)が所蔵する1870年代から1970年代までのニューヨークのデジタル画像を整理した、インタラクティブなオンラインマップである。
画像にはそれぞれ、撮影場所を特定するジオタグが埋め込まれており、マップ上の赤いドットをクリックすると、その場所で撮影された写真が表示される仕組み。
気になるエリアをクリックするだけで、昔の時代に”タイムスリップ”できるわけだ。
・公共図書館が主導する、街の歴史のデジタルアーカイブ化
ニューヨーク公共図書館は、これまでも、古地図や画像のデジタルデータ化をすすめ、所蔵する作品を積極的にオンライン上に開放してきた。
2014年3月、所蔵する2万点以上の古地図をパブリックドメインとして公開したほか、2015年2月には、古地図から得られるデータをもとにニューヨークの歴史をさかのぼるプラットフォーム「NYC Space/Time Dictionary」の開発にも着手している。
一般に、各地の公共図書館では、古地図や写真など、その地域の歴史を伝える貴重な史料が、数多く保管されている。
ニューヨーク公共図書館の取り組みは、テクノロジーを駆使し、ユーザーに利用しやすい形態に仕立てた上で、広く一般に開放し、これらの”資産”を有効に活用している先進的な事例といえるだろう。
OldNYC