それが、ペルーの“Peruvian League Against Cancer”という団体の支援を受けて、ベルギーのHappiness Brussellsが開発した「Shadow Wi-Fi」というシステムである。
・ビーチで無料Wi-Fiを提供
ビーチを訪れる人々が無料でインターネットにアクセスできるようサポートしつつ、同時に日陰に留まることを推奨するというものだ。まず試験的に、ペルーのPlaya Agua Dulceという場所に設置された。
装置は一見すると、青色の壁のような構造物。狭い範囲だけに効果を与える指向性アンテナによって、壁の影になっている部分でのみ、Wi-Fiにアクセスができる。
・センサーが太陽の動きを追跡
日中を通じて、装置のセンサーが太陽の動きを追跡し、それに合わせてアンテナの位置を微調整する。つまり、太陽が動くとともに、Wi-Fiにアクセスしたい人々は自然と移動しなければならなくなるというわけだ。
同時に250人以上のユーザーがネットワークに接続することが可能。アクセスしたユーザーは、どれくらいの時間、日陰で過ごしているのかといったこともチェックできるという。
・人々の意識啓蒙に
もちろん、日焼け止めを塗ることも有効だが、意識して日陰に入るということは、もっとも手軽な皮膚がん防止につながるアクション。人々の意識啓蒙という意味でも、この「Shadow Wi-Fi」は重要な意味を果たすはずだ。
・世界へ広がりを見せるシステム
世界各国のがん協会では、この「Shadow Wi-Fi」の可能性に関心を寄せている。そこでHappiness Brussellsでは、非営利団体向けに開発ソフトウェアの情報を開示。専門的なITの技術がなくても、システムをセットアップできるように配慮されている。
「Shadow Wi-Fi」のネットワークは、サンフランシスコ、ニュージーランドなど、世界各地のビーチに導入される見込み。いずれは“ビーチの日陰でネットにアクセス”するのが、世界の常識となる日が来るかもしれない。
Shadow Wi-Fi
Happiness Brussells