これまで、さまざまな分野のアプリ改善に貢献し、高い評価を得てきた本ツール。その秘密について、開発元であるRepro、代表取締役CEO、平田 祐介(ひらた ゆうすけ)氏に、語ってもらった。
・ユーザーのアプリ内での行動がリアルにわかる
Q1:まずは、「Repro」開発のきっかけと経緯から、お聞かせください。
以前、web系のサービスを提供していた際に、統計データを使う従来型のアナリティクスに限界を感じ、動画を使った分析サービスを使ったことがあります。
このときに、スマホアプリにも動画を使ったアナリティクスサービスが必要だと、直感したのです。
その後すぐ、CTOが1~2週間で「Repro」のプロトタイプを作って、技術的な検証を行い、サービス化を進めました。
webでは、動画で実際のユーザーの動きを見ることが一般化しています。スマホアプリがますます複雑化していく中、「Repro」が提供する動画アナリティクスは、デファクトになると考えています。
Q2:「Repro」の特徴について、教えてください。
「Repro」は、ファネルやリテンション分析等の従来からあるアナリティクス機能に加え、実際のユーザーのアプリ内での行動をリアルタイムに動画で分析し、データを提供します。
「Repro」が提供するアナリティクス機能のファネル分析を例にすると、ファネル分析はコンバージョンの改善等で重要な、従来からある定量分析機能ですが、「Repro」のファネル分析では、定量データだけではなく、各ステップを達成したユーザー、達成していないユーザーの行動を動画で確認することができます。
・海外展開に向けて準備中
Q3:アプリ改善のためのツールやサービスは他にも存在しますが、それらとの違いはどこにあるのでしょうか。
アプリ成長には、Mixpanelに代表されるアナリティクスツール、A/Bテストツール、ユーザーテストツール等が利用されてきました。
しかし、これらのツールには、いずれも欠点があります。アナリティクスツールは統計的なデータから、どこが課題かを特定することはできますが、そこがなぜ課題なのかは、実際のユーザー行動がわからないため、分析者が想像するしかありません。(中略)
「Repro」では、実際のアプリユーザーの行動を動画で見ることができます。従来のアプリ改善ツールではわからなかった、実際のユーザー行動に基づき、アプリの課題発見や改善方法について検討できる点が、決定的に違います。
Q4:今後の展開について、教えてください。
機能開発の面では、二つの方向性を考えています。一つは、課題発見機能の強化です。ユーザーテストサービスの強化等、アプリのどこに課題があるのかを、効果的に発見しやすくするための機能や、サービスの拡充を検討中です。
もう一つは、成長支援機能の強化です。発見された課題を解決するための機能といっても、いいかもしれません。例えば、特定のユーザーに対するプッシュ通知機能といった、In-appマーケティング機能の強化を考えています。
市場開拓の面では、今年は国内市場に注力して、クライアントを開拓していきますが、今秋からは、米国を中心とした海外市場の開拓を行っていく予定なので、そのためのマーケティング活動にも、取り組んでいくつもりです。
今回のバージョンから英語にも対応している「Repro」。Made in Japanの分析ツールが海外でどう評価されるか、しっかりと見守っていきたい。
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