2011年のスタートから約4年。ここ1年ほどで利用者が急増し、先月半ばにはとうとう、月間ユーザー数800万人を突破。この勢いは、まだまだ止まりそうにない。
スマートフォンアプリを大幅にリニューアルしたり、Apple Watchにも対応させるなど、汎用性の拡大にも余念がない本サービスだが、それだけでは、ここまで人気を集めるには至らない。絶大な支持を得る理由は、一体どこにあるのだろうか。
次世代起業家としても注目のRetty、代表取締役、武田 和也(たけだ かずや)氏に、話を聞いた。
・信頼性と口コミで知名度をアップ
Q1:まずはさかのぼって、「Retty」提供のきっかけと経緯から、お聞かせください。
起業をするにあたって、何をやるかが一番重要だと思い、とりあえず1年間じっくり検討するために、アメリカへ渡りました。
さまざまなアイデアを出しながら、「世界に通用するのか?」「対象者が多く、事業として成立するか?」「本当に利用者をHappyにするのか?」という3つの条件を満たした時点で、起業しようと考えました。
その後、日本が世界に誇る分野こそが、最もイノベーションを先に起こせるものであり、食こそがその領域だと確信しました。対象者や規模は、言うまでもないでしょう。
そして、おいしいお店に出会える瞬間は、多くの人がHappyになる瞬間だと思います。そうした経緯を経て、「Retty」を立ち上げました。
Q2:「Retty」とは、ひと言で言うと、どんなサービスなのでしょうか。
皆が同じランキングを見る評価型のサービスではなく、「友達や信頼できる人から、嗜好性に合わせたお気に入りのお店を探すことができる」グルメサービスです。
Q3:サービス開始から現在に至るまで、さまざまな苦労があったと思います。その中で印象的なエピソードがありましたら、お聞かせいただきたいのですが。
苦労したことを忘れてしまうタイプなのですが、強いて言えばやはり、資金繰りでしょうか。一番苦労したのは、1億円の調達のときでした。
ユーザー数が伸び始めるまでに、2年半かかりました。ユーザー数がある程度の規模になるまでは、ただひたすらお金が減っていく状態でしたね。
過去2回ほど、キャッシュアウトのピンチがあり、サイバーエージェント・ベンチャーズから出資を受けたときは、残金は10万円ほどで、GREE Venturesから出資を受けたときもギリギリでした。
・北米やアジアなど、海外での展開も予定
Q4:月間800万ユーザーという驚異的な数字を達成されましたが、その反響の理由はどこにあると思われますか?
さまざまなシーンや地域、ジャンルでまとめた「Retty」の「人気のまとめコンテンツ」がソーシャルメディア上や口コミで拡散し、成長を牽引しています。
また、サービス自体も、3月にiPhoneアプリの大型アップデートを行い、よりお店の探しやすさを追求したものへと、進化しました。実名の口コミ数は150万件以上、登録されたお店の数も60万店舗を突破しています。
他のどのグルメサービスよりも、スマホから自分の好みに合うグルメを、いち早く見つけられるサービスであることが、人気の要因ではないかと思います。
Q5:最後に、今後の展開について教えてください。
年内に月間ユニークユーザー数を、1500万~2000万人にまで伸ばしたい、と考えております。
また海外展開も視野に入れ、北米やアジアの外食文化が普及している都市を中心に、展開を実施していく方針です。
Retty