・てんかん発作を検知してアラートを送信
「Embrace」もそんな1つで、資金調達プラットフォームIndiegogoのキャンペーンで、目標額の5倍超となる68万ドルを集めたウェアラブルデバイス。これは、万一ユーザーに発作が起きたときに、あらかじめ選択しておいた連絡先へアラートを送るというもの。
Institute of Medicine(米国医学研究所)の2012年のレポートによると、アメリカ国内の26人に1人が、一生涯の間にてんかん発作を発症しているという。また、自宅火災による年間死亡者数より、突然死で亡くなる人数のほうが多いという数字も出ているようだ。てんかん発作は、誰にも関係ある身近な危険なのだ。
・家族からの要望を受けて、さらに“個人化”を
「Embrace」は、イタリアのミラノとアメリカのケンブリッジに拠点を置くEmpaticaが開発したもの。同社では、Boston Children’s hospitalで調査した結果をもとに、発作を検知するデバイス開発をおこなった。
開発品を研究機関や大学、病院などでテスト運用をおこなったところ、患者の家族からの要望として、より個人化したバージョンをつくって欲しいとの声が多く寄せられた。そこで、今回の「Embrace」の開発に着手したのだという。
・皮膚の電気活動を測定
「Embrace」はスマートウォッチと同じように手首に装着して使う。デバイスは皮膚の電気活動(EDA)を測定。万一、呼吸停止を引き起こす発作が起きたときには、顕著な測定数値が出る。
するとデバイスが瞬時に、ユーザー自身と、あらかじめ設定してあった家族や医療従事者、友人の連絡先に、スマートフォンの専用アプリを通じてアラートを発信。迅速な救助が受けられるようサポートしてくれる。
・2つの「Embrace」を連動させることも
作動範囲内であれば、2つの「Embrace」同士を連動させることも可能で、患者にてんかん発作が起きたとき、もう一方の相手側のデバイスがバイブレーションをし、緊急事態を知らせてくれる。
・見た目もスタイリッシュ
ウェアラブルというと、ごつい印象でファッションから浮いてしまうのではという不安があるかもしれないがご安心を。ストラップ部分はイタリア製の革で、見た目も非常にスタイリッシュ。
・普通のスマートウォッチとしても使える
ちなみに「Embrace」は、てんかん患者はもちろんのこと、一般ユーザーが使うこともできるツールだ。心理的ストレスや覚醒状態、睡眠や身体活動を測定することができ、スマートフォンの専用アプリを通じて、いつでもモニター結果をチェックすることができる。大切な人の命を守る、心強いウェアラブルとなりそうだ。
Embrace