今回の資金調達により、SleekFlowは東南アジア、中東、ヨーロッパを含むグローバル展開計画を加速させる。またマーケティングワークフローの自動化やデータ分析のためのAI利用技術のさらなる開発や、オムニチャネルの拡大に資金を投入する計画だ。
顧客に一貫した体験を提供
オムニチャネルマーケティングの目的は、ソーシャルメディア、モバイルアプリ、eコマースプラットフォームなどのオンラインチャネルと、実店舗などのオフラインチャネルを含むすべてのタッチポイント(顧客への接点)で、一貫性がありシームレスな顧客体験を創り出すことだ。オムニチャネルマーケティングによって、企業は複数のチャネルをとおして個々人の顧客体験を一貫性をもって最適化することができる。これによって顧客との信頼関係を深めることが可能になる。
SleekFlowは、“オムニチャネルマーケティングとは、単なるマルチチャネルマーケティングとは違う”という。マルチチャネルマーケティングも、さまざまなチャネルを使って顧客にアプローチする点では同じである。しかし各チャネルを独立して運用するマルチチャネルマーケティングとは違い、オムニチャネルマーケティングにおいては、すべての顧客に一貫した体験を提供できなければならない。
そのためには、AIやビッグデータのような先進技術を活用して複数のチャネルを統合し、統一されたブランド体験を提供するために、すべての部門が協力する必要があるのだ。
会話型AI市場のリーダー企業をめざす
Yahoo Financeによれば、会話型AI市場は2024年から2030年にかけて、132億米ドルから499億米ドルに成長すると予測されている。
SleekFlowはこの市場において、会話、商品カタログ、支払い機能、注文管理をシームレスに統合可能な会話型AIを提供。企業が単一の直感的なインターフェースで顧客との関係性を深めることができる、包括的なソリューションを提供することを目指す。
SleekFlowの創業者兼CEOであるHenson Tsai氏はこのように述べる。
私たちは先進的なAI技術開発の最前線に立ち、製品開発を大幅に強化してきました。私たちはこれまで以上に野心的に、比類のない価値を顧客に提供するために、音声、電話、メールをとおして、販売やサポートの完全自動化を可能にする製品の提供をすすめていきます。
会話型AIでオムニチャネルマーケティングを支える
SleekFlowの会話型AI製品は汎用性が高く、Delonghi、Hilton Dubai、TOTO、Audiなどさまざまな業界や顧客に広がっている。これらの企業はすでに、会話型AI機能を活用してオムニチャネルマーケティングの成果を発揮しているという。同社は、今後1年以内にシリーズBラウンドでの資金調達を実施し、業界で確固たる地位を築くことを目指している。
参考元:
Story
Yahoo Finance
(文・五条むい)