今年7月3日~8月25日の期間にはサウジアラビアのリヤドでeスポーツの祭典「Esports World Cup」が行われ、eスポーツのさらなる盛り上がりが期待されている。
こうしたなか、シンガポール拠点のフィンテック企業PayerMaxは、リヤドに地域本部を設立し、サウジアラビアに進出した。今後、モバイルゲーム決済を強化していく意向を示している。
サウジアラビアでRHQライセンスを取得
2020年設立のPayerMaxは、80大陸以上で530種類以上の決済方法を備えたグローバル決済ソリューションを展開している。これまで東南アジア、南アジア、中東、ラテンアメリカなど、新興市場で現地の主流の決済方法をカバーしてきた。現在はUAE、バーレーン、クウェート、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、ブラジル、メキシコ、韓国、上海、香港に現地オフィスを構えている。先月、PayerMaxは地域本部プログラム(RHQ)に参加。プレスリリースによると、同社はサウジアラビアでRHQライセンスを取得したアジア初のフィンテック企業になったとしている。
サウジアラビアのゲーム開発者とゲーマーをサポート
PayerMaxは一般的な決済ソリューションのほか、ゲーム業界向けソリューションを提供している。アプリ内課金、ゲームウェブショップのトップアップ、マイクロインセンティブなど、さまざまな利用シーンに合わせたサービスを提供し、モバイルゲーム開発者とゲーマーの双方をサポートするというものだ。PayerMaxの共同創設者であるWanghu氏は「当社の革新的な決済ソリューションは、ゲーム開発者が卓越したゲーム体験を生み出すことを可能にすると同時に、サウジアラビアのゲーマーにスムーズで安全な体験を保証します」と語る。
実際、PayerMaxは人気ゲームアプリ内イベント中に決済マーケティングキャンペーンをサポートし、開発者がイベント中に取引量と有料ユーザー数を2倍に増やし、特定の決済方法の利用を前年よりも増加させることに貢献。取引量は153%増加し、成功した注文数は180%増加したという。
独自の不正防止システムで危険な取引を阻止
同社発表では、サウジアラビアのゲーマーのうち、32%はモバイルゲームに平均的にお金を使うユーザーで、12%は多額のお金を使うユーザーであると指摘。モバイルゲーム市場におけるユーザー1人あたりの平均収益(ARPU)は、2024年には85.47米ドルになると予測されている。同市場では決済時のセキュリティが急務となっているものの、不正な支払いはたびたび発生しているという。
そこで今、決済プラットフォームに必要とされているのが、ゲーム会社とエンドユーザーの両方を対象にした地域特化型のリスク管理戦略だ。
PayerMaxは独自のリアルタイム不正防止システムを採用し、異常な支払い行動を検出。不正を防ぐために電話アラートやその他の手段で疑わしい取引をブロックする。取引プロセス中、取引データを機械学習モデルと戦略を通じてリアルタイムで分析し、危険な取引を阻止することが可能だ。
今後PayerMaxは、決済プロセスを合理化することで、サウジアラビアのモバイルゲーム市場の潜在能力を引き出し、開発者にとってより活気があり競争力のある環境を育み、サウジアラビア国内のeスポーツシーンの成長に貢献する方針だ。
参考・引用元:
PayerMax
PR Newswire
(文・Haruka Isobe)