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独CognigyのAIカスタマーサービスに大手も熱視線|シリーズCで1億米ドル調達、すでに1,000社以上が導入

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AI技術の進化と普及に伴い、企業のカスタマーサービスも変革の時を迎えている。大手企業も例外なくリソース不足が叫ばれる今、従来の人力に頼るサポートから、AIを活用した自動化へと移行することで、業務効率やサービス向上の視点などにおいて企業と顧客間のコミュニケーションに多くのメリットをもたらすだろう。

こうした機運のもと、さまざまなAIカスタマーサービスが投資家の注目を集めている。そのひとつとして、名だたる大手企業の視線を集めているのが独Cognigyが手掛けるカスタマーサービス向けAIプラットフォームである。同社は2016年に設立し、ドイツのデュッセルドルフに拠点を構えているスタートアップ企業だ。

Cognigyは今年6月11日、シリーズCで1億米ドル(約160億円)の資金を調達したことを発表。今回はEurazeo Growth主導のもと、すでに出資しているInsight PartnersやDN Capitalも参加しており、Cognigyに対する信頼と期待の高さがうかがえる。

AIが顧客対応し、カスタマーサービスを自動化

ImageCredit:COGNIGY

CognigyのAIプラットフォームでは、音声およびチャットを活用したカスタマーサービスの自動化を実現。顧客はAIエージェントによる24時間対応のサポートを受けることができ、企業は人的リソースをより重要な業務に集中することが可能になる。

特長的なのは、会話型AIと生成AIの画期的な組み合わせだ。拡張性が高く、音声チャネルとチャットチャネルにまたがる複数の顧客対応のためのAIエージェントを開発、実装することができる。

同社のAIプラットフォームは25,000以上の音声やチャットを同時に処理できるため、大規模なコンタクトセンターにおいてもスムーズに運用できるという。さらにCognigyのAIは100以上の言語に対応しており、グローバル展開している企業からの支持を集めている。

自然言語処理(NLP)により、顧客の感情や文脈を理解し、よりパーソナルな対応が可能だ。異なる地域や文化に対応したカスタマイズも容易で、企業は世界中の顧客に一貫したサービスを提供できるという。

独自のAIプラットフォームで柔軟性と使いやすさを両立

CognigyのAIプラットフォームは、柔軟性と使いやすさを兼ね備えている。Cognigyでは、マイクロサービスアーキテクチャを採用。これは、システムを独立した小さなサービスに分割する設計手法である。

各サービスは特定の機能に特化しており、独立して動作するため、システム全体の柔軟性と拡張性を高める。例えば、ユーザーの問い合わせを理解するサービスや回答を生成するサービスがそれぞれ独立して動作することで、機能ごとのアップデートや拡張が容易になる。

マイクロサービスの管理にはKubernetesを採用。Kubernetesは、複数のサーバーにまたがるアプリケーションを自動的に管理するツールである。負荷分散や障害復旧を自動化し、システムの安定稼働を支える。

これにより、アクセスが急増した場合でも柔軟に対応し、サービスの停止時間を最小限に抑えることが可能だ。

他にもSalesforceやMicrosoft Dynamicsなどの主要なCRM(顧客管理システム)とのシームレスな統合機能やコーディング不要で操作できる直感的なインターフェースなどを備えている。

CognigyのAIプラットフォームは、GartnerやForresterなどの権威あるアナリストレポートにおいて、その技術力と市場におけるリーダーシップが高く評価されている。

すでに1,000社以上のグローバル企業が導入

CognigyのAI技術は、大手企業を中心に金融、ヘルスケア、ECなど多くの業界で導入されている。

公式サイトによると、導入企業はすでに1,000社以上。メルセデス・ベンツ、ルフトハンザドイツ航空、フロンティア航空、トヨタ自動車など名だたるグローバル企業が名を連ねる。

ドイツ最大の航空会社であるルフトハンザドイツ航空では、CognigyのAIプラットフォームを活用して年間600万件以上の会話を処理し、カスタマーサポートの質が大幅に向上したと報告。

その他多くの大手企業がCognigyのAI技術を採用しており、技術の信頼性が伺える。AIを活用したカスタマーサービスの普及が加速することで、企業と顧客の関係性がより密なものになっていくだろうか。

参考・引用元:
businesswire|Press Release
COGNIGY

(文・Ryohei Umeta)

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