日記のようにしたためたり、タイプしたりする必要はない。AI(人工知能)ガイドに話しかけるだけで、アプリが文章化してくれる。家族など親しい人と共有して、自分の体験や記憶を後世に残すのにも使えそうだ。
ガイドと会話するだけで文章が作成
個人的な出来事や思いをつづるという点では、ジャーナル(日記)に近い。だがAutobiographerでは自分で記録する必要がなく、ただAIと「会話」をするだけという点が斬新だ。米スタートアップのAutobiography Studioが開発した同アプリは米Anthropicの生成AIモデル「Claude 3」を搭載。独自アーキテクチャに沿って質問するように設計されており、ガイドの質問にユーザーが答える形で話すと、録音された会話のデータをもとにアプリが内容を整頓し、文章にまとめる。
たとえば、Autobiographerのガイドがユーザーに「子どものころに住んでいた町のことを教えて」などと尋ねてくる。そのため、何を話していいかわからない、ということはなさそうだ。
なお作成した文章は閲覧・編集が可能。さらに、暗号化とFace IDによる生体認証で安全に保護する。
自分の物語を家族に残すことも
Autobiographerでは思い立った時に記録することができ、また話す時間の長さはユーザーが自由に決められるというのも使い勝手がいい。たとえば前回は子どもが生まれた時のこと、今回は自身の幼少期について、などと気ままに話し、そのトピックごとにストーリーとしてまとめられる。本屋で売られている自伝本のように不特定多数の人の目にさらされることはなく、仕上がったものは親しい人と共有することができる。自分の体験を遺産として家族に残すというのもありだろう。
「誰でも人生の物語を」
公式リリースを記念し、Autobiographerは自叙伝が米紙ニューヨークタイムズのベストセラーにランクインしたこともある米ジャーナリストのKatie Couric氏とパートナーシップを締結。Couric氏は「ストーリーを語ることには、人々をつなげたり、鼓舞したりする力があると信じている」「(中略)彼らと提携し、より多くの人々が自分の物語を残せるようになることを嬉しく思う」と語る。
AutobiographerはiOS版がリリースされたばかりで、対応言語は英語のみ。サブスクリプションは年199ドル(約3万2000円)で、年間最大250ページ作成できる。
参考・引用元:
Autobiographer
PR Newswire
(文・Mizoguchi)