このプロジェクトを進めているのが、Shark Attack Mitigation Systems。オーストラリアの通信事業会社Optus Networkの支援を受けて、サメ防止の模様を施したウェットスーツを開発した会社だ。
・ワイヤレス接続するブイ、ソナーを搭載
同社が現在開発中なのが、「Clever Buoy」と呼ばれるワイヤレスで接続できるブイ。サメを探知する“自己充足型”ツールである。ブイの中には、ソナー(水中音波探知装置)が搭載されており、音と反響によって、海中のイメージ画像を創出する。サメの特徴である泳ぎ方や大きさ、独特の形状などを特定できるという。
・サメ発見情報をエリア一帯に拡散
サメが検出されると、Optusのネットワークを通じてGoogle +に接続。エリア一帯に、発見情報を拡散するプラットフォームとして機能するようになっている。
このブイの肝は、そのソフトウェア部分。顔認証に似た独自のアルゴリズムが働き、サメの泳法、形状という部分にフォーカスする。イルカなどの他の生物とはまったく泳ぎ方が異なるため、ブイが誤った判断をすることはないという。
・将来的には、太陽光や波力で自己発電も
現在、開発段階にある「Clever Buoy」は、今のところ2m程度の範囲内のサメを検知するようプログラムされている。開発者としては、内蔵のコンピュータを搭載し、情報解析できるようにしたり、太陽光や波力で自己発電し、メンテナンスが不要になる自律システムを目指していきたい意向だ。
サメによる海辺の事故を防ぐ、画期的なシステムとなるかもしれない。今後の開発に期待したい。
Clever Buoy