ロールプレイング式にストーリーを追いながら、教師とともに進めていく「ナイトズーキーパー」。ブラウザで学べるゲームサービスでは、物語の展開がすべて、ユーザーの想像力に委ねられている。「ナイトズー」という夜の動物園を舞台に、恐ろしい魔王から動物たちを守っていくのだが、そこで必要な動物やアイテムは、子どもたち自身が作り出す仕組みだ。
「自由な発想」という、子ども本来の能力を伸ばすことに重きを置いた本コンテンツ。期待の日本版について、Night Zookeeper(ナイトズーキーパー)の森氏が語ってくれた。
・子どもの想像力と国語力を育む教育プログラム
Q1:まずは、日本版提供のきっかけと経緯からお聞かせください。
本家イギリス版の代表(Wonky Star Limited)と、日本版の取締役(Night Zookeeper)が兄弟ということもあり、構想を練っていた段階から情報共有は行っていました。
当時、既に弊社取締役は、日本の会社に就業していましたが、子どもたちの未来のために、想像力を育むサービスを日本にも提供したいと考え、日本法人を設立するに至りました。ローカライズ、カルチャライズはすべて、弊社内で行っております。
Q2:「ナイトズーキーパー」とは、どんなサービスなのでしょうか。
「ナイトズーキーパー」は、英語圏の学校用の教育プログラムとして侵透しており、子供たちの想像力と国語力を育む内容となっております。ナイトズーキーパーという絵本を元にした物語を、先生と一緒に進める形です。
学校だけでなく、一人でも学べるようにと開発されたのが、ブラウザで楽しめるゲーム版です。今回、日本版でリリースした「ナイトズーキーパーの不思議な動物園(PCブラウザ、iOSアプリ)」はこちらのサービスをローカライズ・カルチャライズしたものになります。
夜の動物園の管理人(ナイトズーキーパー)になったユーザーは、必要な動物やアイテムを想像して描き、一から創り上げていきます。動物たちをお世話するアイテムも同様です。
動物たちを育てて物語を進め、一緒に敵と戦って動物園を発展させていきます。描いた動物やアイテムは登録したアドレスに送ることができ、ご両親にもリアルタイムで見てもらえます。また、「マーケット」では、他のユーザーが描いた動物も見られますし、気に入ったら仲間に加えることもできます。いろいろなアイディアが詰まったイラストを見ることで、新しいイラストを生み出す刺激にもなります。
・画一的な考え方にとらわれない自由な発想力を養う
Q3:ローカライズにあたって、最も苦心されたのはどんなところでしょうか。
日本版で独自に追加、調整を行うために、原版の開発者との密接な連携や、システム習熟が必要となり、イギリスに当社プログラマーを滞在させて、集中的に日本版の開発に当たりました。
やりたいことがすべて実現できる状況ではなかったため、スケジュールと照らし合わせながら企画を再考し、調整を何度も行いました。絵本のストーリーは読みやすさ、わかりやすさを図りながらも、原版が持つ世界観を損なわないように、何度も推敲を重ねています。アプリとブラウザは共通のUIやテキストを使用しているため、どちらでプレイしても違和感やストレスがないように、調整を繰り返しました。
Q4:本サービスは、子どもたちの教育に、どのような形で貢献するのでしょうか。
「ナイトズーキーパー」が意図するのは、子どもたちが想像力を働かせ、クリエイティブな考え方を広げ、その考えを表現する機会を与えてあげたい、ということです。子どもたちには、デジタルメディアの一消費者ではなく、クリエイターになってもらいたいのです。
私たちは自分たちが作ったものを、世界中の人たちと共有し、楽しむ喜びを体感してもらうために、このコンテンツを開発しています。例えば、「青色を使わずに海を描いてください」といったミッションが出てきます。これは子供たちに、一般的な考え方にとらわれず、自由に発想してもらうためです。物事を色々な角度から考えることができる力、それこそが、未来に必要な力だと思います。
ナイトズーキーパーの不思議な動物園