・植物の生長とバクテリアの働きで発電
そんな中、オランダのWageningen大学出身のMarjolein Helder氏、David Strik氏のチームは、植物の生長とバクテリアの働きを活用して、電力に変換する「Plant-e」という技術の研究を進めている。
・陽極と陰極で発生電力を集める
チームでは、水を基盤として生育する植物がもつ自然の働きに着目。植物は太陽の光を受けると光合成をおこない、反応によって生じた物質を、水に浸った土壌に排出する。
排出された物質は微生物によって分解されるが、その際に電子と陽子を放出する。この電子と陽子を、陽極と陰極を用いて集め、電力として活用するという流れだ。
すでにWageningen大学の屋上で、「Plant-e」のプロトタイプの運用が成功している。15平方メートルの植物栽培床で、スマートフォンを充電する程度の電力を集められるという。
・自然の力を生かし、ビルの屋上など限られたスペースでも
現状では少量の電力しか発電できないものの、都市部の建物の屋上といった限られたスペースでも電力をつくれる利点は大きい。米を栽培している広い水田エリアなどでは、もっと効率のよい発電効果を上げられるはずだ。
食糧となる植物を栽培しながら、同時に電力の供給にもつながる「Plant-e」には、大きな可能性がありそうである。
Plant-e