音楽と同期した歌詞表示スピーカーといえば、COTODAMA社のLyric Speakerだろう。日本発のLyric Speakerは、スマホで音楽を再生すると歌詞がスクリーンに浮かび上がるという製品で、国際的な賞を多数受賞。歌詞を表示する機能は海外でも人気で、同様の機能を持つスピーカーが海外スタートアップからも登場している。
今回紹介する「Haloasis A1」は、立体映像を表示できるホログラフィックディスプレーが特徴。光の強弱や色だけでなく、光の波が振動するタイミングまでホログラムとして映像を記録し、それを再生するホログラフィ技術を用いたものである。
Haloasis A1は、現在クラウドファンディングサイトKickstarterにてプロジェクトを実施中。終了まで20日あまりの時点で、416人の支援者から約4000万円以上の資金調達に成功している。リターンは約9万円から購入可能だ。
「視る×聴く」の体験が楽しめるHaloasis A1
Haloasis A1は、ホログラフィックディスプレイと臨場感あふれるサウンドで、オーディオビジュアル体験が楽しめるワイヤレススピーカー。Bluetooth対応で楽曲を再生、音声に合わせて歌詞を視覚化してくれる。
本体の形状は円筒になっている。LEDを高速で動かして残像を画像のように表示するPOV(Persistence of Vision)ディスプレイ(バーサライタともいう)を採用。透明で筒状の空間にホログラムのように文字や映像を表示。360度どこからでも見ることができる。最大70PPIの高い表示精度を誇るミニLEDテクノロジーで、鮮やかで明るいビジュアルを実現した。
Bluetooth接続によりワンタップで音楽を再生。音楽のメタデータに基づき曲に合わせて歌詞を表示する。歌詞のない楽曲であれば、ディスプレイは音楽に反応して曲のリズムを刻むという。iOSとAndroidの主なオーディオ再生アプリに対応している。
アーティスティックな演出を実現するスクリーンセーバーを搭載しているため、音楽を聴いていない時でも部屋のアクセントになる。時間や天気などの情報をホログラフィで表示する機能も。
ビジュアルだけでなくサウンドも高品質
Haloasis A1はビジュアルだけではない。3つのハイファイサウンドユニットにより、高品質な没入型オーディオ体験を提供する。シンメトリカル・フルレンジスピーカーと×2点とハイパワーサブウーファーを搭載。スカンジナビアの有名音響スタジオPlatin Gate APSが微調整を担当した。
専用のDSPユニットによってチューニングの可能性が広がるほか、アプリのサウンドチューニングモードで多様な音楽スタイルや好みに合わせられるという。アプリにはカラオケモードも搭載され、AUX INでワイヤレスマイクを接続して、Haloasis A1のディスプレイでカラオケが楽しめる。
オプションとして入手可能なスピーカーホルダーと共に縦置きも可能なHaloasis A1。アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリス、EU諸国をはじめ、日本や韓国、台湾、香港、シンガポールからも購入可能。18ヵ国語に対応し、910万曲のプレイリストを楽しめる。
スマートスピーカーが市場の成長促進
今回紹介したHaloasis A1を開発したHaloasis Audio社は香港のスタートアップ。デジタルハードウェアのマニアとアーティストによって2022年に設立された。世界中のユーザーのためのエレクトロニクスブランドとして、優れた音質とクリエイティブなディスプレイソリューションを組み合わせ、「かつてないオーディオビジュアル体験」を提供したいという。
「今までにない音楽体験」を謳うスピーカーには、こうしたリリックスピーカーのほかにBALMUDA The Speakerもある。円筒形の本体内部で3基のLEDユニットが楽曲に合わせてライブステージのように輝く製品だ。Maximize Market Researchの報告によると、こうした多機能スマートスピーカーの人気と需要によって、世界的なスピーカー市場の成長が促進されているという。市場規模は2023年の614億ドルから、2030年には30.5%増加して3957億7千万ドルになると見られている。
引用元:Kickstarter
(文・根岸志乃)