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Tech 取引額83億ドル超えの暗号通貨アプリ「Luno」、南アの金融規制当局から承認取得

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取引額83億ドル超えの暗号通貨アプリ「Luno」、南アの金融規制当局から承認取得

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暗号通貨市場は日本においてはまだ浸透していないが、じつは発展途上国においては非常に重要な意味を持っていることをご存じだろうか。

暗号通貨取引プラットフォームの中でも、2013年に元投資銀行家のマーカス・スワンポール氏と、Googleの元ソフトウェアエンジニアだったティモシー・ストラネックス氏によって設立されたLunoは、顧客数が1200万人を超える大手プラットフォームだ。

グローバルに展開し着実に顧客数を獲得し続けている同社は、どのようにして成長を遂げたのだろうか。

暗号通貨は投資の対象だけではない

Image Credit:Luno

日本において暗号通貨は一部投資家の間で話題となっているものの、実際に仮想通貨を生活の中で使えるような整備はほぼないといってよいだろう。

暗号通貨の保有率は日常的に投資を行う人の10%未満といわれており、その保有率は依然として横ばいの様子だ。日本人にとって通貨「円」は非常に安心感のあるものであり、わざわざ仮想通貨を保有するということには懐疑的であるという人が多いのである。

Lunoが南アで受け入れられた理由とは

Chainalysis Global Crypto Adoption Indexのデータによると、ベトナム、インド、パキスタンといった新興経済国はこの暗号通貨の発展を牽引している。こうした経済新興国の多くでは自国の通貨不信や紛争・戦争の影響を差し引いても、目まぐるしい成長率でシェアを伸ばしているのが現状だ。

こうした背景もあり、暗号通貨は自国の通貨以上に需要がある「お金」という位置づけになっている。

Image Credit:Luno

そんな中、Lunoは南アフリカランド(ZAR)を入金し、ビットコインやイーサリアムをはじめ15種類以上の仮想通貨を手軽に購入できるサービスを南アフリカでいち早く提供し始めた。

スマートフォン向けのアプリケーションで本人確認を済ませれば、誰でもいつでも仮想通貨を保有できる手軽さ、そして南アフリカの場合は日常の決済に仮想通貨がすでに浸透しているという状況が、Lunoの成長を後押しているといえるだろう。

2021年1月、Lunoのプラットフォーム上における取引額が前年比300%の伸びを記録し、その額は83億ドル(1,210億ランド)に達している(参考)。以前はBitXとして知られていたLunoの本社は英国のロンドンにあるが、2024年現在は世界40か国に拠点を置いている。

Lunoの主戦場は南アフリカ、ナイジェリア、インドネシア、ザンビア、マレーシアなどの新興国である。これはLunoが設立当初から目指していた通貨の普及モデルではあるが、実際にこれらの南アフリカ諸国では爆発的に利用者が増えている。

2021年の暗号普及指数ランキングでは、1位がベトナム、2位がインド、3位がパキスタン、次いでウクライナ、ケニアとなっていたが、2023年のランキングでは1位がインド、2位がナイジェリア、3位がベトナム、4位がアメリカと順位が様変わりしている。Lunoはこのナイジェリアエリアにて急成長を遂げているのだ。

Lunoはどんなポテンシャルを持った企業なのか?

Image Credit:Luno

Lunoは南アフリカのヨハネスブルグやケープタウン、ナイジェリアのラゴス、英国のロンドン、シンガポール、マレーシアのクアラルンプール、インドネシアのジャカルタにオフィスを構えている。「世界をより良い金融システムにアップグレードすること」を使命に掲げ、わずか400人のチームで40か国に製品を提供している。

Lunoは2013年に創業して以来、誇大広告やミームコインをやらない「クリーンな暗号通貨」の創造を目指し、普及に向け各国の法令に順次プラットフォーム上の製品や暗号通貨をより安全で高い水準で保有できる環境を実現している。

2019年には、新機能の1つとしてビットコインキャッシュのサポートを備えた「Luno 2.0」をリリースし、アプリケーションの普及が急激に拡大した。こうした通貨の普及には行政機関の導入にたよる傾向があるが、彼らのシステムをいち早く取り入れたのが民間の小売店であったことから、南アフリカでの需要の高さがうかがえる。

なお、2019年の1年間は世界的に仮想通貨が普及したといわれている。開発者のスワンポール氏はMyBroadbandにて「2030年までに10億人の顧客という目標の達成に向けて順調に進むと予想する」と述べている。

Lunoは将来の成長に向けた積極的なロードマップを策定しており、最終的には「世界をより良い金融システムにアップグレードする」という目標を掲げて世界中の金融サービス企業と競争することを目指している。

なお、2020年にLunoは世界最大のブロックチェーン投資会社Digital Currency Group(以下、DCG)に買収され傘下に入っている。

DCGのCEOであるバリー・シルバート氏はMyBroadbandにて「世界経済の変化を躍進するLunoをこれからも支援し、多額の投資を行っていくつもりだ」とコメントしている。

さならる安全性の実現を目指して

Image Credit:Luno

暗号通貨において、重要視されるものの1つが「透明性」だ。Lunoは四半期ごとに準備金証明レポートを発表し、顧客の暗号通貨を1:1ベースで安全に保管していることを示している。

この準備金証明は、ヨハネスブルグの監査機関であるMooreの監査専門家が、Lunoの保管するすべての資産を毎月認証するというもの。

マークルツリー検証を使用して実行される厳格な認証プロセスにより、Lunoへの投資が安全であり、正確かつ十分に説明されているという安心感を実現している。

こうした取り組みが信頼に結びついているといえるだろう。

2024年4月にCoinDeskが発表したニュースによると、南アフリカ政府の金融規制当局は仮想通貨ライセンスの発行を開始しており、Lunoは規制当局の承認を受けた最初の企業の1社に選ばれたという。

同社の南アフリカ担当カントリーマネージャーであるクリスト・デ・ウィット氏は「顧客のためのコンプライアンス、安全性、セキュリティは当初から当社の成長の原動力である」と語り、今後も優先事項であるとコメントした。

暗号通貨は誰でも、どこにいても、ビットコインやイーサリアムなどの暗号通貨に簡単にアクセスできるプラットフォームの登場により急成長を遂げている。こうした障壁を解決することが今後の躍進のカギとなることは間違いなさそうだ。

参考・引用元:Luno

(文・獏 弥生)

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