Qualcommが開発中の、超音波による指紋認証
これまでにも指紋認証によるログイン機能などが実装されてきたが、さらに一歩進めた認証方法がQualcommによって開発中のようだ。「Sense ID 3D Fingerprint Technology」というもので、超音波を使ってユーザーの指紋を読み取る。既存の指紋認証センサーに比べても、より高い正確性とセキュリティ性を実現する認証方法だという。
この「Sense ID」には、Nok Nok Labs社のS3 Authentication Suiteという技術が用いられており、Qualcomm biometric integrated circuit (QBIC)で動作し、センサーのアルゴリズムはSecureMSMでコントロールされている。
皮膚の溝や汗口、血流の動きまで細密に検出
超音波認証のセンサーは、ユーザーの皮膚の外側の層を貫通し、個人の指紋を形成する、皮膚内の溝や個人固有の特徴を正確に検出する。溝の側面から汗口まで、非常に細密に認識するというから素晴らしい。
偽造に強く、手汗にも影響されない
皮膚の下の血流の動きまで感知するほど、非常に微細な部分まで検出するので、既存のセンサーに比べても、高度なセキュリティを実現するだけでなく、偽造もしにくい。“生きた人間”の指紋かどうかも判別するので、偽造指紋の鋳造物や、はたまた切り取った指では、認証は動作しないのだという。それにも関わらず、手や指の汗、ローションを塗布している場合でも、皮膚外面の状況には左右されずに、認証ができる点も優れたポイントだ。
パスワード入力を省いて、楽々ログイン
パスワード入力を省いて、スマートフォンを起動させたり、アプリのログインや支払い取引などができるようになる。指紋データはスマートフォン内部に、高いセキュリティで保持されるので安心。
Qualcommでは、FIDO AllianceとIBIA (International Biometric Industry Association)に参加しており、技術のクオリティ向上や普及を目指している。現在のところ、Snapdragon810プロセッサのみでしか作動しないが、他プロセッサにも対応を拡大していく見込み。次世代のスマートフォンに、超音波認証が搭載される日も近そうだ。
Sense ID