選手の運動エネルギーを電力に
ブラジルのリオデジャネイロの貧民街の一角に、新たなサッカー場がオープンした。これは選手の運動エネルギーを変換して、夜間の照明にあてようという、世界初のサッカー場である。オランダの石油会社Royal Dutch Shellの支援を受けて進められたプロジェクトで、イギリスのスタートアップPavegenと協力して実現した。
約200の特殊なタイルを導入
Pavegenではエネルギーを集める特殊なタイルを開発しており、およそ200枚のタイルがピッチの縦横に敷き詰められている。その上はさらに人工芝アストロターフの層によって覆われている。選手たちがピッチで動くと、その運動エネルギーが電気エネルギーへと変換され、頭上から照らす照明を点灯させるという流れ。
また、ピッチ内にはソーラーパネルも設置されているという。運動エネルギーにプラスして、日中の晴れ間にはエネルギーを充填しておける。
Pavegenの技術者によると、タイルの詳しい構造は教えられないが、歯車のようなものを使い、それが回転することでエネルギーを発生させる仕組みだという。
世界初の新式サッカー場が誕生
同社によると、1つのタイルにつき、およそ500ドルのコストがかかるが、製造工程を見直していくことで、価格を下げていく見込み。似たようなタイルが、すでにヨーロッパの駅、オーストラリアのショッピングセンター、ロンドンのヒースロー空港のターミナル3などですでに導入されているというが、サッカー場に用いるのは史上初。
電力に乏しいコミュニティをサポート
この新規オープンした新式サッカー場のテストプレイを任されたのは、地元の子どもたちのサッカーチーム。きっと、大喜びで夜間のサッカープレイを楽しんだに違いない。大好きなサッカーは子どもたちの心の拠り所。電力が乏しいエリア、貧しい地域では、このような仕組みが子どもたちの心身の成育にも大きく貢献してくれそうだ。
Pavegen