イメージに合ったテンプレートをワンクリックでFigmaに移行可能
figr.designの最大の強みは、無数の素材からユーザーのイメージに近いテンプレートを探せることだ。既存の人気アプリ200種以上のUI画面3000種以上が編集可能なライブラリとして用意されている。YoutubeやInstagramなど既存のWebサイトやアプリの素材からも選択可能だ。サーチバーから候補を検索し、表示されたサンプルを選択して「Copy Figma Design」をクリックすると、選んだUI画面のデザインが編集可能な状態でコピーされる。あとはそれをFigmaのデザインボードにペーストするだけだ。
figr.designにはサーチバーのほかにAI駆動のデザイン検索機能「Lookr」もあり、テーマを設定したり、作成したいデザインの方向性を大まかに定めていくことができる。3ステップで結果が表示されるシンプルなシステムで、ユーザビリティの高さと深く追及していけるカスタマイズ性が魅力だ。ユーザーの目的やイメージに合わせて、AIが理想に近いものを提案してくれる。
AIを活用して次世代のデザインソリューションを開発・提供
Figr社は、スタートアップを中心に商品開発・UI/UX デザインの分野で活躍してきたMoksh Garg氏と、コンピューターサイエンス・テクノロジーを専門とし楽天での就業歴もあるChirag Singla氏の2人によって2023年6月に設立された。Garg氏がCEO、Singla氏がCTOを務めている。2024年2月8日にはオリジナルのデザインをカスタマイズできる「Figr AI」をローンチしたばかり。アイデアからフレームワーク、コンセプトの設定など、AIのガイドに沿ってWEBサイトやアプリが構築可能。現在はベータ版(アーリープレビュー)での提供となっている。
さらに、同社は「Generative Design System」というツールもリリースされる予定としている。詳細はまだ不明だが、生成AIによる一歩踏み込んだサポートやカスタマイズ性が期待されるところだ。
Figr社のツールとシームレスに使用できるFigmaは、2年前の日本語版リリースと日本支社開設以来、楽天やYahoo! Japan、LINEなどといった大手にも利用されるプラットフォーム。コロナ禍以降、業務委託やフリーランスの数が増加し、独立志向が強まる日本においても、Figr社のソリューションが果たす役割は大きい。突出した素材提供力とAI搭載の検索機能によって、専門知識をもたない人にとってもWebやアプリのUIデザインがいっそう身近になっていくだろう。
引用元:Figr 公式サイト
Figrプラットフォーム
(文・Takasugi)
※:Figmaは製品を共同開発するチームのためのブラウザベースのデザイン・プラットフォーム。2022年3月には初の多言語ローカライズとして日本語版をリリースし、日本支社を開設している。同年9月にはAobeとの合併契約を発表していたが、同契約は2023年末に両社合意のうえで終了された。