終了直前の数日に支援が急増したことを受け急きょプロジェクト期間が延長された。再度終了目前を迎え、3000万円到達が視野に入っている。
NASAの情報と同期してリアルタイムの太陽系を再現
「Quantum Solar System」は、太陽を中心に惑星が軌道を描く浮遊プラットフォーム。独自の技術によって惑星群が正確な位置を保ちながら太陽の周りを公転する(自転はランダムとのこと)。最大の魅力は、磁気浮上技術でレプリカ全体が空中に浮かぶ点だろう。NASAのデータと同期することで惑星のリアルタイムな位置を再現するほか、過去や未来を問わず特定の日付を設定可能。特定の天体ショーが観測される日の太陽系の状態を確認できる。また、「6日を1秒」のように惑星の移動速度を早送りする機能も。
基本は観賞用オブジェだが、直径約8センチの太陽はLEDライト内蔵のため間接照明として使うことも可能だ。電球は取り換え可能で寿命は約50000万時間、電力は電磁波によって供給される(太陽が光らないバージョンも選択可能)。惑星の位置・速度・照明などは専用アプリで操作する。
台座の直径は42.5センチ・高さは3.75センチでかなり場所を取るうえ、約10万円とオブジェにしては高額だが、すべてのクラファンプロジェクトで成功を収めている。
Campfireでの目標金額は控えめの50万円なのだが、プロジェクト終了まで残り10日となった3月5日にネクストゴールの1500万円を達成、その3日後には1600万円を突破。週が明けた11日に1800万超、翌12日のうちに2000万円の調達額に到達した。
この勢いを受けてか、13日にはプロジェクト期間の延長が決定、その時点で残り18日となっていた。その後は順調に支援を伸ばし2700万円に到達、終了までに3000万円に到達しそうだ。
海外プロジェクトでは遅延発生、現在は障害を調整中
この製品を開発したQuantum Planets(旧Quantum Innova)社は、米フロリダ州タンパを拠点とする企業(Kickstarterのページではデラウェア州ニューアークとなっている)。電磁気学に特化した技術研究開発を行っている。2021年にこのプロジェクトを開始、1年間の開発期間に試作を重ねた末に宇宙愛の詰まったQuantum Solar Systemを完成させたそうだ。Indiegogoでのプロジェクトでは昨年12月発送を予定していたが、予期せぬ問題が複数発生したため遅延が発生している。問題の一つは公転速度が速すぎると惑星同士が接近した際に振動が生じる現象で、現在鋭意調整中という報告が2月10日になされた。
遅延は生じているものの、クラウドファンディングサイトでの質問には適宜対応している様子が確認できる。「猫がいますが大丈夫でしょうか」という可愛い質問には、「猫が惑星をたたき飛ばしたら元の軌道に戻してください」と回答。また、冥王星については支援者の間でも意見が分かれているが、要望が多ければ冥王星追加バージョンの製作も検討するとのこと。
個人宅はもちろん学校などの教育施設にもぴったりな「Quantum Solar System」、Campfireのプロジェクトでは日本支援者への配送を今年10月に予定している。
参考・引用元:
Indiegogo
Campfire
Quantum Planets(Quantum Innova)
(文・Techable編集部)