しかしインドの医療インフラは質・量ともに乏しい状況で、人口当たりの病床数は日本の10分の1以下。人口1万人あたりの現役医師数は約6人、看護師・助産師数は約10人で、WHOの基準である人口1万人あたりの医療従事者数44.5人を大きく下回っている。
現役医療従事者の大半が適切な資格を有していないという実態があり、医師や看護師の水準は先進国と同程度とは言い難い。
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Image Credits:Dozee
インド医療を悩ませる人手不足と品質不足をAI搭載センサーで解決
Dozeeの製品はバリストカルジオグラフィー(心弾動図記録法)に基づくもの。寝返りなどのマクロな動きとミクロな動きの両方から生じる機械的振動を用いて心肺機能などを観察する。
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Image Credits:Dozee
![](https://techable.jp/wp-content/uploads/2024/03/RVM.png)
Image Credits:Dozee
非接触型のアイデアは愛犬のいたずら対策から誕生
Dozee社はMudit Dandwate氏とGaurav Parchani氏によって、「ヘルスケアをよりアクセスしやすく、手頃な価格にすることでヘルスケア分野のイノベーションを推進する」という使命のもと、2015年に設立された。設立当初はマットレスの上に敷くセンサーシートの開発に取り組んでいた創業者2人だが、2016年にプロトタイプ完成を記念して祝杯を挙げようとした夜のこと。当時6か月だった愛犬Piがシートにいたずらして破ってしまわないよう、マットレスの上ではなく下に隠して外出したという。帰ってくるとPiはマットレスの上で眠っていたが、接触していないはずのセンサーがPiの体の動きに反応していたのだ。
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Image Credits:Dozee社のX投稿
インドのヘルスケア分野革新・格差是正を目指すDozee
2022年にはセンサーを搭載したスマートベッド「Har Bed Dozee Bed」をローンチ。![](https://techable.jp/wp-content/uploads/2024/03/66c19942ab4ba346fdb64ccc04cde373-5.jpg)
Image Credits:Dozee
インド国民の健康を改善し、継続的なケアを提供したいという設立者の願望から生まれたDozee。医療施設での患者ケア強化やワークフローの効率性改善、健康回復につながる正確で継続的、かつ信頼性の高い医療を、手頃な価格で提供できることを目指している。
インドのヘルステック分野のスタートアップは各社とも「アクセスしやすく・手頃な価格」のヘルスケアをインド全体に提供することを使命に掲げているが、特にインド電子情報技術省がAIに着目している状況で、Dozeeは今後もヘルスケア テクノロジーの革新の最前線に立ち続けるのではないだろうか。
(文・Techable編集部)