そんななかIT大国のインドで、10代を対象にした“ネオバンキングサービス”を展開するJunioが大きな関心を集めている。
Junioはインドに拠点を置くフィンテックのスタートアップ。同社が提供するフィンテック版「お小遣いアプリ」と呼ばれるスマホ決済サービスは、インド市場において200万人の子どもに利用されている。
子ども向けのお小遣い&電子決済サービス
2020年に設立されたJunioは、子どもが買い物ができるスマートカードの提供を皮切りに「お小遣いのデジタル決済化」に注力してきた企業だ。目標として「楽しく実用的な方法でお金を管理する方法について、子どもたちの規律と意識を育てること」を掲げ、アプリの提供により若年層の金融リテラシーの向上にも一役買っている。
パンデミックの発生以来、インド国内においてもデジタル決済がかつてないほど中心的な役割を果たしたことで、Junioのアプリと決済カードは保護者の間でも認知され急速に普及が進んだ。
インド国内での高いポテンシャルが評価され、2022年にはアラブ首長国連邦を拠点とするNB Venturesが主導するプレシリーズA資金調達ラウンドで600万ドルを調達している。
保護者が子どもの取引状況を監視できる
JunioはAndroidとiOS上で利用可能なスマートフォン用決済アプリとデビットカードを提供している。アプリでは子どもが、保護者や親戚からお小遣いを受け取れる。保護者たちには取引状況を監視できる機能を提供しており、デビットカードの利用限度額の設定権限などもオンライン上で設定することが可能だ。
小遣いアプリとしての最大の特徴は、親が設定したタスクをアプリ上でクリアすることで、お小遣いが貰える「子ども向けタスク」と呼ばれる“お駄賃”の機能だろう。
タスクをクリアして報酬を受け取り、実際にお金を使う過程で、子どもは稼ぐ、使う、貯める方法を学べる。また友人から誕生日プレゼントの予算をカンパしてもらう…といった使い方ができる点もユニークだ。
なおカードはインド決済公社(NPCI)が管理するカード決済サービス「RuPay」を活用しており、RuPay対応のリアル店舗やオンライン店舗で利用できる。
キャッシュバック&割引クーポンもある
Junioの子ども向け決済サービスではすべてのアプリ、ウェブサイト、店舗での支払いにおいて、支出に対し1%のキャッシュバックがある。また近年はユーザー向けの割引クーポンも配布している。
クーポンはエンターテインメントのサブスクリプション、さまざまなファーストフードのデリバリーサービスやタクシー配車サービスなど多岐にわたる。子どもであっても、大人が使用するアプリと遜色ないサービスを受けられそうだ。
保護者の目の届く範囲で、子どもが早い段階でお金を自分で管理する力を身につけることをサポートするJunio。今後も同社は決済サービスを通じて、子どもが経済的に自立した大人へと成長できるように支援する方針だ。
参考・引用元:Junio 公式サイト
(文・HAYASAKA)