同国は2020年に国家教育政策(NEP)を34年ぶりに改定し、「教育」の全面的なアップデートを推進。高等教育では履修単位登録制度を設けて入学・修了を自由・柔軟にすることにより、広く学びの機会を確保しようと動いている。
そんななか発生したのが新型コロナウイルスの流行である。この影響により、インドではアプリやオンラインツールを活用して教育サービスを展開する“EdTech企業”が急速に拡大した。
数々のEdTech企業がインドでサービスを拡大するなか、「インド国内で海外の大学の学位を取得できる教育サービス」で注目を集めているのがupGradだ。
インド・ムンバイを拠点とする企業で、100か国以上で200万人以上のユーザーを抱えるオンライン教育のパイオニアである。
プロにも“スキルアップ”の機会を
2015年に設立されたupGradは、世界の大学や業界パートナーと協力してオンラインの高等教育プラットフォームを提供しているEdTech企業。創設者が「多くの専門家は作業スペースに入った後に学習を止めているので、継続的にスキルアップする機会が必要である」と気づいたことがきっかけで設立されたという。
その後upGradはインド最大とされるオンラインプログラムをいくつか作成し、何千人もの専門家がデータテクノロジー・管理の分野でキャリア目標を達成できるよう支援してきた。
アプリ・サイトを通じて学習プログラムを提供
upGradでは、おもに「経営学博士号」「MBA」「データサイエンス・分析」「機械学習・AI」「コーディング・ブロックチェーン」などのコースを用意。インド、イギリス、アメリカ、オーストラリアなどの大学と提携し、専門的なプログラムを提供している。生徒は同社独自のアプリとウェブサイトを通じて、世界クラスの教育をオンデマンドで体験できる。
アプリでは、学習プログラムを閲覧できるだけでなく、専門家や仲間との交流も可能。学習に関する相談のほか、業界のメンターとの1対1のセッションを通じて、個別のキャリアアドバイスを得ることもできる。
履歴書のレビュー、模擬雇用テスト、模擬面接を通じて就職の準備を整えられるのもうれしいポイントだ。
米国のオンライン教育会社Udacity買収へ
2024年1月、upGradがアメリカに拠点を置くオンライン教育会社Udacityの買収に向けて舵を切ったとの報道があった。昨年から議論が始まったこの買収は「国際的に拡大し、リスキリング(スキルの再開発・再教育)サービスを強化する」というupGradの戦略に沿ったものだという。
2023年のインドのEdTech市場は厳しい環境にあったというが、upGradは好調な財務実績を維持している。今後upGradが教育分野へどのような影響を与えるのか、注目していきたい。
参考元:upGrad 公式サイト
(文・Techable編集部)