同社はこのたび、ユーザーの好みに合わせた一杯を淹れてくれるコーヒーメーカー「KUKU Maker」を開発し、クラウドファンディングサイトKickstarterにてプロジェクトを実施中だ。
抽出パラメーターをカスタマイズ!KUKU Makerが画期的な理由
KUKU HUB社によると、コーヒーメーカーはまだその可能性を十分に発揮できていないとか。多くのコーヒーメーカーは“抽出パラメーター”に従い、安定した風味豊かな一杯を淹れてくれる。しかし、抽出プロセスには各コーヒーメーカー特有のルールを守ることが必要だ。自分好みのコーヒーを作るためには、あらかじめ好きなコーヒー豆を選んだり、抽出後にミルクや砂糖を加えたりといった方法に限られている。
KUKU Makerが画期的である理由は、あらかじめ決められたルールに則って安定した美味しいコーヒーの味を保証するだけでなく、抽出パラメーターを好みに合わせてカスタマイズできる点だ。
コーヒーの抽出に影響を与えるパラメーター間における調整を、それぞれ独立して行うことを可能にしている。抽出圧力や温度、時間、挽き具合など、幅広い調整オプションが用意されており、ユーザーが自在にコントロールし、柔軟に好みのコーヒーを楽しめるのが魅力だ。
例えば、コーヒー豆の挽き具合についても、超細挽きから超粗挽きまで、好みに合わせて選ぶことが可能。各設定にマシンは干渉せず、すべてはユーザーの好み次第というわけだ。同じコーヒー豆でも、ピリッとした辛みから甘みまで、さまざまな風味のバリエーションが楽しめる。これは、従来のコーヒーメーカーでは難しかったところでもあるだろう。
コーヒー愛好家や機械工学者、設計者によるチーム
KUKU Makerを開発したKUKU HUB社では、ハードウェア、ソフトウェア、機械のエンジニア、デザイナー、サプライチェーンの専門家、そしてコーヒー愛好家が互いに協力し合い、「手頃な価格で一流の製品を生み出す」という目標に突き動かされチーム一丸となって仕事をしているという。自分たちが生み出す製品が、人々の日常生活にさらなる利便性と、カスタマイズ可能な選択肢をもたらすことを目指し、従来の技術に新たな風を吹き込んでいる。KUKU HUB社の共同設立者であるクリス・Cさんは大のコーヒー愛好家。コーヒー関連の業界に16年間身を置き、コーヒーの焙煎からバリスタの育成、コーヒー関連機器の製造にも関わってきた人物だ。
そんな彼とエンジニアリングやテクノロジー、デザイン、商法専門の弁護士らがタッグを組み、ユーザーが使いやすい製品開発に向け心血を注いでいる…そんな会社である。
各分野の専門家が協力し合い、ユーザー体験向上を目指す
KUKU HUB社では機械エンジニアとデザイナーが連携し、製品の各パーツの構造を設計。電気技師と協力してテストと検証を行い、最終的な量産に至るまで改良と最適化を繰り返す。経験豊富なサプライチェーンの専門家とともに、製品プロセス全体をコントロールしている。またKUKU HUB社では電気技師が製品の回路設計、テスト、フル生産を担当。電子ハードウェアのユーザーエクスペリエンスを高めるべく、PCBの開発と高品質のコンポーネントの選択に焦点を合わせているのだ。
多くのプロのバリスタとも協力関係にあり、アプリ内のコーヒー抽出テンプレートのカスタマイズとテストにはバリスタたちが協力。ユーザーがプロファイルを簡単かつ迅速に選べるよう尽力している。
KUKU Makerでコーヒーの味をカスタマイズするには、アプリを使って温度や時間をコントロールし、粉や水の量、挽き具合など、使用するすべてのパラメーターを保存できるのだが、そのアプリまでもがすべて自社のソフトウェアエンジニアによって作成されている。
現在同社は、中国とシンガポールにオフィスを構えているが、DiscordやFacebookなどのプラットフォームを通じて、デザインから研究開発、生産、販売に至るまで、世界中の消費者と直接交流したいと伝えている。そうすることで消費者のニーズをより深く理解できるだけでなく、代理店や販売店のような追加コストをかけずに、より良い品質の製品をよりリーズナブルな価格で生産できるようになると考えているという。
参考・引用元:
Kickstarter
KUKU HUB
(文・根岸志乃)