大学研究者でありながら同社社員としても活動するメンバーは、組み込みマイコンの教科書を何冊も執筆している。自社の技術ブログ/コミュニティ開源網(http://www.openedv.com/)には、45万人もの登録者がいる。
CTOの劉さんは開発やロボットコンテストが大好きで、会社としても多くのハッカソンやロボットコンテストなどをサポートしている。
中国のメイカー界では有名で知人も多く、会社訪問した筆者のラップトップでM5Stackやメイカーフェアのロゴを見つけると、嬉しそうに最近の交流について語ってくれた。
「自分たちも使うから」と思いついたUSBハンダゴテ T65シリーズ
開発ボードやモジュールが中心だったALIENTEKは、ここ1~2年でほかのプロダクトにも拡大している。最初に製品化したのは、USB電源で駆動するハンダゴテだ。「自分たちもハンダゴテは毎日使うが、いつでも持ち歩けて、出先やちょっとした時でも作業できて、かつ性能的に妥協が少ない製品がほしい」と思いついた。それまでにもUSBハンダゴテはいくつか発売されているが、
- すぐ温度が上がる、パワフルさがほしい
- かつ、小さいモバイルバッテリやノートPCからの給電でも、パワーは落ちても動作するようにしたく、入力電源を設定で変えたい
- 持ちやすさ、設定変更など含めた操作のしやすさ
動作するPDの最大出力は65W(20V、最大3.25A)、このときは8秒でハンダが溶ける温度に達する。13.5W(9V、最大1.5A)でも、温度が上がるまで30秒ほどかかるものの、作業することができ、ほとんどのTYPE-C電源やモバイルバッテリなら動作範囲に入る。
中国の海外向け通販Aliexpressでの販売も好調で、日本のスイッチサイエンスなどでも販売が始まっている。
(取材/文・高須正和)