独自技術で「ヒューマンエラー防止」を目指すCorrActions
テルアビブを拠点とするCorrActionsは、眠気や疲労、アルコール、健康状態などによって影響される“ユーザーの認知状態”の悪化を検出する独自技術を有するスタートアップ。CorrActionsの現在のCEOであるIlan Reingold氏は、以前BionicHiveのCEOおよびSony IoT部門のCBOを務めた経歴をもつ。
同社は、自動車大手のボルボ・カーズ・テック・ファンドと共同で、現在車両用の高度なソフトウェアを製造しているブラックベリーが主導するシリーズAの資金調達ラウンドで700万ドル以上を調達している。
ドライバーの心理状態を読み取り、安全運転へ
CorrActionsが構築した“AI活用ソフトウェア”は、脳の活動を反映する微小な筋肉の動きに基づいて、ドライバーと乗客の認知状態の異常を検出するというもの。たとえばセンサーを使用して、ドライバーの注意力散漫、飲酒、過度の疲労など、さまざまな認知症状を推定する。これにより、交通事故のリスクを低減させることを目指すという。
さらに、同ソフトウェアはドライバーの認知機能の根本的な原因を特定するだけでなく、それに応じた行動を推奨することが可能。たとえば、車のブレーキ距離を延ばしたり、速度を下げたりすることで、ドライバーの安全性を確保する。車内の乗員の「気分」を識別し、車内で流れる音楽を調整することなども可能だという。
自動車業界以外の用途も検討中
CorrActionsの技術は、自動車業界に焦点を当てたものだが、ほかの市場や用途での可能性も検討されている。たとえば、自転車やスクーターのレンタル利用の際に使われるアプリに統合されると予想されている。具体的にはスマートフォンの利用者の指の動きや圧力を用いて、スクーターをレンタルしようとしている人が飲酒しているかどうかをリアルタイムで判断し、オペレーターに伝えるといったものだ。
今後、CorrActionsの技術がどのように活用されていくのか、注目していきたい。
参考・引用元:
CorrActions 公式サイト
(文・よし @yoshibizcom)