インドのデジタル保険で82%を超えるシェア
デジット・インシュアランスはインド最大のデジタルフルスタック保険会社で、2022年には同国のデジタル保険シェアの実に82.3%を占めた。
自動車保険と健康保険が主力商品だが、自動車保険でも一般車、商用車、タクシー、トラック、自転車やインドらしく三輪タクシー「オートリキシャ」向けまで、ユーザーニーズに応えるきめ細かいサービスで知られる。
同社は人工知能と機械学習を使い、損害の特定、保険金請求と損害査定プロセス、請求書の読み取り、書類の収集を行い、AI分析と人間による査定のハイブリッドモデルで効率化を実現している。
AIにより自動化された手続きは459にものぼり、これまでに顧客の請求により発行された保険は2,501万件を達成した。
パーソナライズされた保険を提供するために参入
「複雑な保険商品を15歳の若者でもわかるように」というヴィジョンを掲げるデジット・インシュアランスは、カメシュ・ゴヤル会長が2016年創業した。保険業界で30年以上の経験を持ち、会社の成長と発展に積極的に関与し、現在でも同社株式の約45.75%を保有している。
インドでは、保険加入者の88%がプロバイダーに対してよりパーソナライズされたサービスを求めているという。この国の消費者裁判所における訴訟の約4分の1が保険会社に関するものであることから、顧客がこれまでとは異なるものを求めていると確信し、彼は新しいプレーヤーとして参入を決めたという。
デジット・インシュアランスの設立にあたってカナダ保険・金融大手のFairfax社との提携にも成功した。ゴヤル会長は自社のブログで「世界中の市場に触れることで、私は課題と機会を目の当たりにしてきました。現在、保険顧客の29%しか現在の保険会社に満足していませんが、私たちはこの統計を変えたいと考えています」と語っている。
AIと人間による「ハイブリッド査定」の効率性を評価
デジット・インシュアランスが受賞したAIIA「インシュアラー・オブ・ザ・イヤー」は、アジアの名だたる保険業界全体から集まった26名の専門家によって審査され、アジア全域の保険会社から寄せられた17部門、約200ものサービスの中から選ばれている。
厳しい基準と透明性でも知られている賞だが、同社について「技術革新によるデジット・インシュアランスの効率的な引受業務が他の保険会社との差別化となっている」と、AIと人間を活用したバイブリット業務モデルを高く評価している。
AIIAが公式サイトで発表した「Winners Booklet」では特に
・チャネル、顧客とパートナーとの接点はすべてデジタル化されている点
・100%クラウドを利用して運営されている点
・COVID-19によるパンデミックが発生した後でも、業務への悪影響はなかった点
などを同社の具体的な強みとして挙げている。今後も人々にとって重要なシンプルで透明性の高い保険ソリューションを構築するデジット・インシュアランスの取り組みに注目していきたい。
参考・引用元:
Go Digit General Insurance Limited
(文・DDC101)