こうした背景を踏まえ、米国発のグローバルHR企業のDeel Inc.(以下、Deel)は、直近2年間の顧客データから、各国におけるAI人材についての傾向や各職種におけるトレンドを分析。
同社は今回の分析結果より、グローバルでの雇用代行を実現する仕組みが世界に浸透したことが、AI人材雇用を加速させたとの見解を示している。調査結果を詳しく紹介していこう。
AI関連の職種は昨年1年間で60%増加
今回の調査ではAI、ソフトウェア・エンジニアリング、データ・サイエンス職の数は、昨年1年間で60%増加していることが判明した。またAI、ソフトウェアエンジニアリング、データサイエンス職を雇用する組織も1年間で59%増加。なお組織によるAI関連雇用は米国が圧倒的に多く、カナダ、英国、ドイツが僅差に続いている。
AI労働者の雇用はカナダがトップで、次にインド、スペイン、ドイツ、イギリスが続く。
給与は地域によって異なるが、ラテンアメリカがAIの成長から最も恩恵を受けており、2年間の平均給与は緩やかながら着実に上昇した。
インドは新しい“AI関連の職種”を設置
次に、ChatGPT登場以降のAI人材の国際化における、各国の動きを見ていこう。AI開発分野の成長が著しいインドでは、新しいAI関連の職種としてAIエンジニア、AIトレーニング・リード、AIコンピューター・ビジョン・エンジニアなどを設けている。
米国企業はブラジル、カナダ、アルゼンチンでAI人材の雇用を増やしており、英国とカナダでは米国からのAI人材の雇用が増加傾向にある。
なお、AI関連の職種における主な新規雇用契約はドイツ(52%増)、米国(44%増)、英国(41%増)で交わされた。
世界中のAI人材プールへのアクセスが重要
生成AIをはじめ新たなテクノロジーが日々創出される昨今。IT人材、AI人材への需要増加に比例し人材不足への懸念が高まり続けている。こうした機運のなかで、日本の経済成長を維持加速させ、日本企業の競争力を高めるためには、国内だけでなく世界中の人材プールにアクセスすることが重要になるだろう。
今後も世界各国のAI人材雇用に関する動向を追っていきたい。
参考元:PR TIMES
(文・Haruka Isobe)