2016年に設立され、ヘルシンキを拠点とするこのスタートアップは、特に高性能XR(拡張現実)デバイスの領域において、最先端技術の代名詞となっている。
仮想世界と物理世界のギャップを埋める
Varjoは、フィンランド語で「影」を意味する。同社は仮想現実と複合現実の体験において新たなレベルのリアリズムをもたらすことを使命としている。創始者であるUrho Konttori氏とNiko Eiden氏は、仮想世界と物理世界のギャップを埋め、没入体験においてかつてない鮮明さとリアリズムを提供するVRおよびMRデバイスの創造に着手。
Varjoの成功の核心は、その画期的な高解像度XRデバイスにある。
「バイオニックディスプレイ」技術で“人間の眼”を模倣
VarjoのVRおよびMRヘッドセットは、「バイオニックディスプレイ」技術として知られる独自のアプローチを活用している。高解像度の中心視野と広い周辺視野を組み合わせ、より“人間の眼”に近い解像性能で、没入感を大幅に高めることを可能に。仮想と現実の世界を違和感なく融合させ、比類のないレベルの視覚的忠実度を実現するように設計されている。
多様な業界とのコラボレーション
VarjoのXRデバイスは、航空宇宙や自動車設計から、ヘルスケアやトレーニングシミュレーションまで、さまざまな業界で応用されている。Varjoの技術が提供する高いレベルのディテールとリアリズムは、精度と正確さが最も重要な分野で特に重宝されている。さまざまな分野のデザイナー、エンジニア、専門家がVarjoのデバイスを活用し、仮想環境での作成、視覚化、共同作業を実施。Varjoの革新的なソリューションは多様な分野から注目を集め、業界のリーダーたちとのコラボレーションも実現している。
遠隔トレーニングへの応用に期待
Varjoのパートナーシップはフィンランド国内にとどまらず、世界のXRエコシステムにおいて重要な役割を担っている。大手企業、研究機関、政府機関とのコラボレーション実績が、Varjoの技術が幅広い影響力を持つことを裏付けている。またCOVID-19パンデミックの発生において、渡航制限やソーシャルディスタンスによってもたらされた課題への対策としてVarjoの技術が応用された。これは、VarjoのXRデバイスの多用途性を強調させるものとなっただろう。
VarjoのXRヘッドセットは、特に、実地トレーニングが不可欠でありながら、常に実行可能とは限らない業界において、今後さらに遠隔トレーニングや共同作業のための貴重なツールとなっていくだろう。
Varjo公式サイト
(文・Techable編集部)