OBMは、Omar El-BarbaryとEzz El-Din Faragによって設立されたEdtech企業。2020年に設立され、大学進学前の学生を対象にキャリア形成に関わるアプリやトレーニングプログラムを提供している。
同社の主要サービスとなっているのはアプリ「Taleb」だ。同アプリでは、自分に向いている専攻を知るための診断テストを受けたり、大学の情報を調べたりできる。
無料で利用可能だが、6ヶ月250EGP(日本円で約1,200円)の有料コースも展開。課金することで、大学の比較や、キャリアに関わるセッションを受けられる。
OBMはアプリ以外にも、ユニークな取り組みをしている。たとえば、現在起業をしている人物から1対1で指導を受けることも可能だ。これにより、学生は起業する上でのスキルや知識を獲得できる。そのほかにも、コミュニケーションや雇用に関するスキルを伸ばすコーチングも受講可能だという。
2022年の資金調達により、Talebを提供開始
OBMは昨年も巨額の資金調達をおこなっている。2022年8月、EdVenturesから同じく6桁規模の投資を得た。この投資を受けて作られたのが、現在主力となっているアプリ、Talebである。そのため今回の資金調達もインパクトのある成果に繋がるかもしれない。現時点での使途はサウジアラビアへの市場拡大と想定されている。サウジアラビアは携帯電話・スマートフォンの加入率が132%と、国民に浸透している。また、人口の75%が40歳以下ということもあり、OBMが提供するアプリと親和性が高い国といえるだろう。
大学の専攻支援以外にも、就職や転職市場も見据えるなら、これからも大々的な成長が見込まれる。
アフリカ市場拡大の動きはあるか?
一方で、OBMがアフリカの他国に進出する動きも考えられる。現在アフリカでは、スマートフォンの普及率が伸びている。2018年の調査では、ナイジェリアや南アフリカはエジプトよりもスマートフォンの利用者が多く、今後も増えていくだろう。一方、アフリカ特有のネット事情がネックとされている。
アフリカでは通信コストが高く、先ほど挙げた南アフリカ共和国では1GBの通信に約700円かかるそうだ。これは南アフリカ共和国の平均年間所得が約82万円ということをふまえると、より高価に感じられる。これはアフリカ進出を狙うEdtech企業全般に関わる課題かもしれない。
こうした状況のなかOBMはどう拡大していくのか、今後の動きに注目である。
参考元
(文・山田)