先日、長崎県にあるハウステンボスが、省エネ&省人化をコンセプトに掲げたスマートホテル「変なホテル」というサービスを開始することを発表した。ロボットを活用することで人員を削減し、コストを抑えてリーズナブルな宿泊料金を目指しているという。ついに時代もここまで来たか、という感じである。
病院業務にロボットを活用
同じように、医療分野においてもロボットの活用が検討されているようだ。カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF) では、サービスロボットをBenioff Children’s Hospitalなどで導入するという。それがAethonが開発した半自律移動型ロボット「TUG」で、同社では「MedEx」という医療トラッキングソフトの開発も手がけている。
主に担うのは、備品や食事の運搬
このロボットは主に、備品や食事を運んだりといった、単純な労働をサポートするために用いられる。また、PINの暗証番号でロック&解除が可能な専用の引き出しを備えている。この引き出しの中に、医療に必要な薬や器具など、専門的な取り扱いが必要な備品を安全に収納し、運ぶことができるようになっている。最大453キログラム程度の重量まで運搬可能だ。自動で充電する機能も保有しており、およそ10時間の連続稼動ができるという。
スタッフは患者の応対に注力できる
スタッフたちは、食事や備品を運ぶといった単純な作業から解放され、その分の労力を患者と向き合う時間にあてられるようになる。患者の身体ケアだけでなく、コミュニケーションを通じた心のケアは人間にしかできないことだ。より深く満足度の高い医療ケアが実現できるようになる意義は大きい。
運搬時の事故も減らせる
もちろん雑用に煩わされなくなるというメリットは重要だが、スタッフたちが重い荷物を運ぶ必要がなくなることは、不慮の事故によるケガを防止することにもつながる。病院経営側としても、スタッフの安全面確保を推進でき、スタッフ、患者両方の側面から見て、医療施設としてのクオリティ向上が見込めるだろう。
あえて人の手が必要でないシーンでの、ロボットの活用、導入は、これからどんどん進んでいくのかもしれない。
Aethon TUG