来日に先立ち、バレエ団はキヤノンと日本アイ・ビー・エムの協力を得て、世界的に注目を集める“ボリュメトリックビデオ技術”を活用した「雪の女王」のプロモーションビデオを制作した。
空間を3Dデータ化する「ボリュメトリックビデオ技術」
キヤノンが開発したボリュメトリックビデオ技術とは、複数のカメラで同時撮影した画像から、空間全体を3Dデータ化する技術。まるでその空間に入り込んだような3Dデータ化された映像コンテンツを生成できることから、現在、スポーツ中継や音楽のライブ配信、テレビCMの制作など、幅広いジャンルで活用されている。
しかし、クラシック・バレエを映像化した事例は世界的にまだ少ないため、今回の取り組みは貴重なものである。
ダンサーの動きを撮影し、3Dモデルを生成
ウクライナ国立バレエの「雪の女王」は、日本では今冬初めての上演となる。アンデルセン童話「雪の女王」が原作になっている作品であり、バレエと童話の世界観をより多くの人に伝えたいという意図から、今回ボリュメトリック映像化に至ったという。ボリュメトリックビデオの制作では、まず100台を超えるカメラで、ダンサーの動きをあらゆる角度から撮影し、3Dモデルを生成。そこに色や質感などの情報を加え、映像を作り上げた。
劇場の客席では見みられない角度で鑑賞できる
完成した映像では、キヤノンの最新技術により、チュチュ(複数の布を重ねたスカート)をはじめ、細かい刺繍や飾りが付いている衣裳を見事に再現。また米国に本社を置く日本アイ・ビー・エムの映像制作協力によって、劇場の客席からでは見ることのできない角度や、至近距離でダンサーの踊りを見ることが可能に。劇場で感じる迫力とはまた違った、臨場感のある動画に仕上がっている。
アンデルセンの童話「雪の女王」の世界に入り込んでいるかのような鑑賞体験を、楽しんでみてはいかがだろうか。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000014480.html
(文・Haruka Isobe)