そのコストには、ログインと紐付けするコストや、専用の読み取り装置の導入コストなどが挙げられ、いずれも削減余地はあまりない。
そこで米国に本社を置くヴィタネット・ジャパン(以下、ヴィタネット)は、アプリの利用者本人が店舗や施設に入るだけで自動的に店舗へチェックインする新機能を加えたクラウドサービス「VitaNet CloudAuth」のリリースを発表。同サービスはログイン以外の高度認証システムを追加することなく、シングル・サイン・オンへの対応が可能だ。
入口や受付に利用者が近づくだけで受付や入場を完了できるので、利用者は手ぶらのまま自動で店舗へのチェックインができる。また店舗側は、利用者ごとに店内での購買行動をアプリで誘導することが可能に。ショッピングやレストランなど多様なシーンで利用者の利便性を向上でき、スマート化を実現する。
高度な認証を低コストで実現する「VitaNet CloudAuth」
VitaNet CloudAuthは、これまで運用コストが高く使いにくかった高度認証を、低コストで提供するデジタル本人認証サービス。施設・店舗、レストラン、観光地など各社の公式アプリに組み込むだけで、アプリが利用者を店頭で自動的に認証するようになる。サービスの利用は簡単で、自社の公式アプリにヴィタネットのソフトウェア開発キットを組み込み、店舗に超小型の認証器を設置するだけ。スマホアプリのログインで使う本人ID(ネットID)を、店舗に設置した超小型認証器でダイレクトに高度認証する仕組みだ。
なお認証度数に関わらず、認証器ごとに月額料金を支払うため、低コストで導入できる。
入店時にポイント付与、利用者別のプロモーションも可能に
VitaNet CloudAuthを使えば、入店時の自動認証だけでなく、店内でのモノやサービスの選択、支払いなどもアプリで対応できるようになる。たとえばレストランでは近年セルフ注文が広がりをみせているが、出口での従業員による決済処理作業が別途必要になっている。同サービスを導入すれば、ネットID連携で予約から受付、注文、さらに決済までのすべてが会員アプリのセルフサービスで扱えるようになる。なおアプリ利用者による事前登録は不要だ。
このほか、入店時にポイントを付与したり、店内で利用者別の価格提示をしたりすることが可能に。また、店舗内でスマホのカメラを使って商品の二次元コードを読み取ることで、カートに商品を入れる前であっても店舗別・利用者別のプロモーション価格の提示や類似商品のおすすめができる。
従来は困難だった店舗とアプリの買い物体験を共通化することにより、公式アプリが集客やリピートの向上、売り上げ拡大にも貢献してくれるだろう。
スマートシティ・スマート鍵などへの活用も
VitaNet CloudAuthの活用が期待されるのは、ショッピングやレストランのシーンにとどまらない。街中でのスタンプラリーや交通機関の割引パス、AI行動提案などを統合した観光DXの実現も支援する。さらにはスマートキーとしての活用も期待される。製造現場などのアクセス制御や、介護サービスのシーンではネットで承認した特定の介護者だけが指定された時間に介護される人の自宅の錠を開けられるようにすることも可能になるなど、さまざまな事業者のニーズに応用できそうだ。
近年話題にあがっている“ドローン配達”で上空のドローンが受取人を認証するなど、今後広がりそうな新世代のニーズにも注目していきたい。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000030294.html
(文・Haruka Isobe)