現在、“著者”は研究論文の執筆を支援する多数の言語編集ツールや学術執筆補助ツールを自由に使用している一方、“研究者”は執筆、翻訳、技術的なジャーナル遵守のチェック、明瞭性、スタイル、一貫性のレビューなど、出版準備を整えるために多くの異なるツールを使用しなければならないという。
そんななか、科学コミュニケーション、テクノロジー分野でグローバルに活動するカクタス・コミュニケーションズ(本社:インド、創業年:2002年)は、研究者のためのAI英文校正・翻訳ツール「Paperpal」を開発。そして今回、同ツールに生成AIを活用した新機能を追加した。
研究者のためのAI英文校正・翻訳ツール「Paperpal」
Paperpalは研究者が質の高い論文を執筆し、それを短期間で出版可能な形にまとめるために開発された英文校正・翻訳ツールだ。英文校正ブランド、エディテージの20年分のデータを学習させたAIが、英語の論文執筆をリアルタイムサポートする。同ツールはアカデミックな文書の種類を見分け、その構成要素を自動的に検出することが可能。高度な自然言語処理機能により、タイトルページ、参考文献、数式、専門用語、略語、非英語など、種類の異なる構成要素の要件を保持したまま、学術論文の構成や慣習を正確に検出し、修正すべきポイントを提案する。
単語を似た意味の表現に置き換え、構造を調整
今回、カクタス・コミュニケーションズはPaperpalに「パラフレーズ(書き換え)機能」「トリミング(単語削減)機能」を追加した。パラフレーズ機能は、ユーザーが書き換えたい文章を指定し、パラフレーズのタブを選択することで、学術論文に適した専門用語や表現を踏まえて、より読みやすく説得力のある論文に仕上げられるというもの。内容はそのままに、似た意味の表現に置き換えたり、構造を調整したりしながら、効率的にテキストをパラフレーズする。
英語を母国語としない研究者が持つ悩みの1つである「英語論文を執筆する際、使い慣れた表現や単語を繰り返し使ってしまう」という課題にアプローチできるだろう。
文脈をそのままに、より洗練された形式で単語数を削減
学術ライティングでは“簡潔に書くこと”が重要とされているため、研究者はジャーナル(学術雑誌)の規定に応じた文字数制限内に収めることや、冗長な文や長文の修正をして文字数を削減することに、時間も労力も要しているという。Paperpalのトリミング機能では、執筆内容の文脈をそのままに、より洗練された形式で単語数を削減することが可能。さらに、選択した文章や段落の文字数を計算して単語数を指定することもできる。
入力テキストの最大30%を削減することができるのも、この機能の大きな特長だ。
AIツールの進化により、より質の高い文章の生成が可能になってきている。AIをいかに使いこなすかが業務効率に大きく影響を及ぼしそうだ。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000006186.html
「paperpal」詳細:https://paperpal.com/ja
(文・Haruka Isobe)