その結果、Indeedに掲載されている求人のすべてが、生成AIによる影響を受ける可能性があることが判明。ただ、生成AIによって仕事のあり方が大きく変化する可能性が高いのは2割程度であり、直感や高度な推論、手作業を必要とするものなど、人間的要素の強い仕事は生成AIには実行できず、影響を受けにくいことも明らかとなった。
生成AIの影響を受けやすい仕事は2割未満
今回の調査では、米国のIndeed 上の求人をもとに、生成AI が与える影響のレベル (低/中/高) と、影響を受ける具体的な仕事を特定。過去1年間に米国のIndeedで公開された、1つ以上の仕事のスキルに言及した5,500万件以上の求人について、求人内で言及された2,600以上の個別のスキルを特定し、それを48の種類に分類した。
次に、生成AIの各スキルに対する「得意・不得意」を明らかにするため、主要な生成AIツールであるChatGPTを活用し、これらのスキルに対する能力を「低い」「普通」「高い」「非常に高い」のいずれかで評価するように求めた。
つまり、ChatGPTが「高い」「非常に高い」と回答することは、生成AIが優れたパフォーマンスを発揮できる「得意」なものであり、影響を受けやすいスキルであると評価できる。逆に能力が「低い」と回答することは、生成AIが「不得意」なスキルであり、影響を受けにくいと言える。
このような評価をもとに分析した結果、求人全体の2割未満の19.8%が、生成AIの影響を受けやすく、求人全体の3分の1以上の34.6%は生成AIの影響を受けにくいことが明らかとなった。
影響を受けやすいのは「ソフトウェア開発」
今回の調査の中で、生成AIの影響を特に受けやすい仕事として「ソフトウェア開発」があげられる。「ソフトウェア開発」の求人内で言及されている全スキルの95%以上について、生成AIは能力が「高い」または「非常に高い」との回答を得ている。
一方、トラックやタクシーなどの「ドライバー」は最も生成AIの影響が小さく、「ドライバー」の仕事におけるスキルのうち生成AIが能力が「高い」「非常に高い」(得意である)と回答したものは29%に留まったという。
なお、Indeedに掲載されている仕事の中で、掲載数の多い仕事の一部(介護士、調理師、看護師など)は、生成AIの影響を最も受けにくい職種とされている。
生成AIは直感や高度な推論、手作業が不得意
生成AIはほとんどのタスクを完璧にこなすことはできず、まずまずのレベルでの実行に留まる可能性が高く、現在のところ、得意なスキルよりも不得意なスキルの方が多くなっているという。また、生成AIはさまざまなスキルの“一部”を得意としているものの、対応できないスキルもあるとのこと。
Indeedは、分析結果から生成AIが不得意なスキルとして「人間の直感または高度な推論が必要であるスキル」「手先の器用さ、または身体的な機能が必要であるスキル」をあげている。
今回の調査によれば、生成AIによって多数の仕事が影響を受け、変化すると思われるが、それらの仕事の多くは完全になくなることはないと言えそうだ。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000124.000028842.html
(文・Haruka Isobe)