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仏「ル シャンプラン号」、食品産業などから回収された食用油から100%製造されたバイオディーゼル燃料の使用を発表

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さまざまな代替燃料を提供するフランスの大手サプライヤーALTENS社は2023年、フランスの海上輸送におけるCO2排出量を削減するため、PUR-BioMシリーズのバイオ燃料「B30」「B100」「HVO100」を発売。

同シリーズは船舶用燃料よりもCO2排出量が少ないバイオ燃料として、環境問題への効果的かつ具体的な対応策となっている。

そんななか、フランスのクルーズ会社ポナンが、エクスプローラーシリーズの「ル シャンプラン号」の航行において、リサイクル食用油から製造されたバイオ燃料B100を使用すると発表した。

フランス初となるこの試みは、ALTENS社と共同で実施される見込み。2030年までに、航行一日あたりのCO2排出量を30%削減する姿勢をみせている。

フランスで回収された食用油から製造されたバイオ燃料

「ル シャンプラン号」が燃料補給するB100は、フランスの食品産業、ケータリング店、ケータリング業から回収された食用油から100%製造されたバイオ燃料。輸送部門向けの代替非化石燃料の供給で、ALTENS社によって販売されている。

この新世代のバイオ燃料を試験的に導入したフランス初のクルーズ会社として、ポナン社は持続可能性と脱炭素戦略を継続的に進めている。

同社は「ル シャンプラン号」のシェルブール(フランス北部の都市)での技術停泊中、B100を使用。

最初の燃料補給では、特にNOx排出量が規制仕様に適合していることを確認するための一連のテストを行い、SOx、微粒子、黒色炭素の排出量を測定するとのこと。

この試験段階が完了した後、ポナンは供給能力に応じて、残りの船にもこの燃料を導入する予定だ。

CO2排出量が化石燃料より90%少ない

「ル シャンプラン号」にはバルチラ社のディーゼル・エンジンが搭載されており、B100は目標達成のためのドロップイン燃料(改修を加えずに利用できる代替燃料)として完全に適合しているという。

CO2排出量が化石燃料より90%少なく、欧州連合(EU)が2035年までに掲げている要件も凌駕しているそう。

B100バイオ燃料生産部門全体は、EUが認める国際規格であるISCC(国際持続可能性炭素認証)の認証を受けており、原料のトレーサビリティが保証されている。

ポナン社の新造船・研究開発部長であるマチュー・プティトゥ氏は「私たちは、この燃料がポナン社の船と海運業界全体の脱炭素化に貢献できる、信頼できる代替燃料であることを実証する手助けをしたいと考えています。これらの試行は、技術的なパラメータや、この種のバイオ燃料を使用した際の排出ガスやガス組成の違いを微調整するのにも役立ちます。」とコメント。

革新的なクルーズ事業のパイオニアが挑む、海上輸送におけるバイオ燃料活用の最前線に注目が続きそうだ。

参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000046036.html

(文・Haruka Isobe)

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