同イベントは、両国の地政学上のリスクが改めて浮き彫りになるなか、信頼を基盤とした日本・台湾のより緊密な交流を促し、連携の機会を最大化させることに成功したようです。
参加者600名超、日本の投資家ら348名以上が来場
「日本・台湾スタートアップサミット2023」は、日本企業と台湾のスタートアップエコシステムとのネットワークをさらに深化させ、台湾のスタートアップが日本企業に信頼されるパートナーとなることを目的に開催されました。イベント開催にあたり、NDCの主任委員(大臣に相当)である龔 明鑫(コン・ミンシン)氏率いる台湾チームが日本国内に7日間滞在。イベント期間中の参加者数は600名を超え、日本国内の投資機関と投資家348名以上が参加するなど、会場内は熱気にあふれたようです。
日本の政策と親和性の高いプログラム内容
同イベントのプログラム内容は、「DXというテーマ」と「スタートアップ企業の発展」に焦点を当てたもので、岸田内閣の政策との親和性が高いものとなっています。岸田内閣は、経済の安全を戦略的な目標として位置づけて「スタートアップ育成5年計画」や、持続可能な経済成長を実現し、国民生活および経済活動の基盤となるエネルギー供給を保障するという包括的な目的のもと「GX実現の基本方針」を策定しました。
台湾では「Asia Silicon Valley(ASVDA)計画」が進められており、スタートアップの発展を支援するとともに、AIや5Gの急速な発展に向けて産業構造の改革を推進中。2050年までの「ゼロエミッション」達成を目指して、気候変動対策も積極的に取り組んでいます。
日台間での親密な交流を実現
イベント当日は、政財界から多くの人が会場に駆けつけ、著名な日本企業なども基調講演者として多数登壇しました。また、JETRO(日本貿易振興機構)をはじめ、Headlin、 JR東日本、みずほ銀行などの組織が、イベントサポートを行うことで、講演や企業訪問、資金の調達のほか、人材の募集など、さまざまな形での意見交流を実現。
参加したスタートアップ企業は、これらの活動に積極的に参加したことにより、今回のサミットの内容をより有益なものとすることができたといいます。
さらに、在日台湾人および日本人につながることで、今回のスローガン「Together,Go Big」という人材交流の目的も実現しました。
そして、SITが東京最大の台湾人コミュニティ「日本職活Worklife in Japan(WIJ)」と提携し、200名以上の人材が参加したことで、日本と台湾が相互に交流および提携を実現する大きな機会となりました。
イベントを終えて
NDCは、同イベントが日台のスタートアップ企業の交流の新たなマイルストーンとなったことを表明しました。また、将来的に常態的なコミュニケーションルートを構築し、台湾のスタートアップ企業と日本企業、戦略的投資家と日本のスタートアップ企業とのつながりを深め、日台が手を携えてDXを推進しグローバル市場進出を目指したいとしています。
龔 明鑫(コン・ミンシン)氏は、以下のように述べました。
日本と台湾はデジタルトランスフォーメーション(DX)、グリーントランスフォーメーション(GX)、サイバーセキュリティなどの領域で多くの協力機会があります。これらの新分野には新しいアイデアを求めるために多くのスタートアップが必要です。この訪問を通じて、二国間により多くの協力ビジネスチャンスを創造できることを期待しています(一部抜粋)
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000127346.html
(文・Higuchi)