この提携に基づき、アリババクラウドのスマート物流ソリューションを導入し、日本および海外のサプライチェーンのデジタル化を推進。業務のDX化と顧客の購買体験向上を目指します。
戦略的提携の背景
TSIホールディングスは、同社のオンラインショップと実店舗の在庫管理、RFIDや自動化倉庫などのスマート物流ソリューションを通じて、サプライチェーンの最適化と、より快適な購買体験の実現に取り組んでいます。物流業界では、アフターコロナに際して小売業が成長軌道に戻り始めたことで、商品配送における業務効率化がますます求められています。こうした背景から、両社による取り組みが実現しました。
アリババクラウドの倉庫管理システム導入
今回の取り組みにより、TSIホールディングスは、アリババクラウドの倉庫管理システム(以下、WMS)を導入します。このWMSは、データ志向のアーキテクチャで設計されたクラウドベースのスマートソリューション。アリババグループ傘下の物流企業であるツァイニャオ・ロジスティクスのスマートロジスティクス技術を活用して開発されました。
輸送状況や在庫状況を可視化し、AIを活用することで物流管理の意思決定を支援。顧客の最も近い倉庫からの入出荷の作業平準化や、荷物量の予測による在庫管理の改善といった効果が期待されています。
また、アリババクラウドが提供するクラウドネイティブ技術による拡張性を採用。これにより、倉庫で増加する荷物量や追加のワークロードに対応できます。
さらに、すべての管理機材が5Gネットワークに接続され、将来的な生産拠点や物流拠点の変化に柔軟に対応できるモバイルネットワークアーキテクチャが採用されています。
両社のこれまでとこれから
TSIホールディングスとアリババクラウドは、メタバースに着想を得たイノベーションを通じて、消費者のショッピング体験向上へ向けても協力してきました。2022年には、アリババクラウドとJP GAMES株式会社が開発した仮想空間構築技術を活用し、新たなショッピング体験の開発や製品の企画プロセスの改良においても協業しています。
今回の取り組みにおいてTSIホールディングスは、2023年3月に上海と付随する日本のクロスドック倉庫にWMSを導入。2023年11月にはベトナムの倉庫にも導入し、その後も複数の物流拠点に展開する予定です。
TSIホールディングスの代表取締役社長・下地毅氏は以下のようにコメントしました。
WMSを利用することで、絶え間なく変化するグローバルなサプライチェーン環境に対応する物流基盤を4ヶ月と素早く構築することができました。日本と海外のサプライチェーンを一つのフレームワークで管理することで、スムーズな荷渡しが実現し、貿易コストの削減と、関連するカーボンフットプリント削減にも貢献することができます。物流2024年問題に対し、荷主として輸送事業者の負担軽減に努め、より多くのお客様に満足いただけるショッピング体験と持続可能なファッションエンターテインメント産業の実現を目指します。(一部抜粋)
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000539.000009786.html
(文・Higuchi)