そして今回、世界31カ国22,816人を対象とした「イプソスAI 意識調査」レポート2023を公開。AIへのイメージ、近い将来にAIが自分の生活に与える影響などについて、その意識を調査・報告しています。
今回は、同調査における日本人の回答にフォーカスしてみましょう。
調査概要
同調査は、イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォーム「IndiaBus」を活用したオンライン調査で、2023年5月26日~6月9日に実施されました。回答者は、インドの18歳以上、米国・マレーシア・南アフリカなどの18~74歳、タイの20~74歳、インドネシア・シンガポールの21~74歳、その他20カ国の16~74歳です。
日本人のAIへの期待感は高め、生活への影響も予測
同調査では、「AIを使った製品やサービスには短所より⾧所が多い」という設問に、「そう思う(大いに/ある程度)」と回答した日本人の割合が52%となりました。また、「AIを使った製品やサービスにはワクワクさせられる」という設問に、「そう思う(大いに/ある程度)」と回答した日本人の割合は51%でした。
この数値を米国やEU加盟国の数値と比較すると、AIに対する期待値が大きいことがわかります。
さらに、「AIを使った製品やサービスは、今後3~5年の自分の日常生活を大きく変えるだろう」という設問に、「そう思う(大いに/ある程度)」と答えた日本人は65%という結果に。
回答した日本人の過半数が、自身の生活になんらかの影響があると予測していることがわかります。なお、この回答は、主要先進7カ国の中で最も高い数値でした。
生活への影響を具体的にはイメージできていない?
一方で、「今後3~5年で、人工知能の使用が増えることによって、自分の仕事がどのように変化すると思われますか?」という設問に「良くなる(非常に/やや)」と答えた日本人は19%にとどまっています。また、「今後3~5年で、人工知能の使用が増えることによって、自分の健康がどのように変化すると思われますか?」という設問に「良くなる(非常に/やや)」と答えた日本人は16%という結果でした。
この結果は、ともに31カ国中最下位。しかし、前述したAIへの期待感や変化の可能性を鑑みると、「良い変化が期待できない」というよりもAI がどのように自身の生活に影響するのかを具体的にイメージできていない状態なのではと、イプソス株式会社は推測しています。
イプソス株式会社代表取締役社⾧・内田氏の見解
イプソス株式会社代表取締役社⾧の内田氏は、日本人がAIへの期待感を高める一方で、具体的影響まではイメージできないことについて、以下のように述べました。AI技術は医療や交通、製造業など多岐にわたる領域で利用が進んでいますが、その具体的な利点やリスクについての情報がまだまだ不足している状況であろうことが考えられます。(一部抜粋)
同社は今後も、時系列で社会の変化を捉えていく予定。現在の漠然としたワクワク感が、どのように変化していくのかに注目です。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000122181.html
グローバルリリース(日本語):https://www.ipsos.com/ja-jp/ai-making-world-more-nervous
(文・Higuchi)