同社はこのたび、ドイツのミュンヘンで開催されているIAAモビリティショーに出展。ドライバー・モニタリング・システム(以下、DMS)を展示し、アダスキー(ADASKY)社と共同でサーマルイメージングに関する専門的技術を披露しました。
EUの新たな安全規制に対応する拡張可能なDMS
まもなくEUでは、交通事故の死傷者減少を目的として、欧州で販売される自動車にDMSの搭載を義務付ける安全規制が施行されます。ジェンテックスは、この安全規制に自動車メーカーが対応できるよう設計された「ミラー一体型DMS」を、IAAモビリティショーに出展しました。
このDMSは、ドライバーの頭部の姿勢や視線、そのほかの指標を追跡し、注意散漫・眠気・急病・半自動運転車におけるマニュアル運転への復帰を判断します。
また、乗員とその行動、物体、さらには生命の存在を検出するための2Dおよび構造化光ベースの3Dキャビン・モニタリングに拡張することが可能です。
ジェンテックスは現在、複数の自動車メーカーとDMS開発プログラムを進行中。その大部分は、テルアビブに設立された子会社であるジェンテックス・テクノロジーズ・イスラエル(Gentex Technologies Israel)で実施しています。
アダスキー社とサーマルイメージング関連技術を披露
ジェンテックスは、イスラエルに本拠を置くアダスキー社との提携を2023年5月に発表。アダスキー独自の赤外線イメージング技術の市場投入を支援する構えです。IAAモビリティショーでは、アダスキー社と共同で、サーマルイメージングに関する専門的技術を披露。
アダスキー社のLWIR(遠赤外線)センサーは、その対サイズ性能、ソリッドステート技術、高い信頼性、シャッターレスの常時作動設計で知られています。
このセンサーは、既存の高度センシングシステムのギャップを埋めることを目的としており、ADASやビジョンベースのシステムが低照度や全天候下でより確実に動作することを可能にし、最終的には自動緊急ブレーキ(AEB)などの主要機能の最適化に貢献します。
自動車メーカーの新たな収益源を開発する方法を実演
IAAモビリティショーでは、自動車メーカーが顧客に専用のeコンシェルジュサービスや旅行予約サービスを提供することで、新たな収益源を開発する方法も実演。自動車メーカーは、ジェンテックスのパートナーであるシンプルナイト(Simplenight)社のホワイトラベルのeコマース・プラットフォームを利用することで、これらのサービスをモバイルアプリやセンターコンソール、顧客エンゲージメント・ウェブサイトに専用ブランドとして統合できます。
そのほかの展示
このほか、車両後方の視界をクリアかつワイドに映し出すリヤビジョンシステム「フル・ディスプレイ・ミラー(FDM)」も紹介。FDMは7年前に採用が始まって以来、すでに世界中の自動車メーカーの94車種に搭載されています。FDMの追加機能としては、リヤビューミラー一体型デジタルビデオレコーダー(DVR)、拡張可能なトレーラー監視カメラシステム、タッチディスプレイ、車線投影オーバーレイ、車室内を撮影するセルフィーカムなどがあります。
また、車とのコネクティビティに関しては、カー・トゥ・ホーム・オートメーションシステム「HomeLinkÒ」を展示。これは、ガレージドアからサーモスタットまで、無数のホームオートメーション機器を操作するようにプログラムできる車載ボタンで構成されているシステムです。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000093141.html
(文・Higuchi)