そんな同社が、出雲市の「官民連携による地域課題解決検討プロジェクト」に参画。2023年8月下旬より、同市をフィールドとして、AI画像解析を活用した道路上の異常検出の実証実験を開始することを発表しました。
道路パトロールにおける課題
現在の道路パトロールの方法は、地方自治体が管理する道路延長約103万km(国土交通省 道路統計年報2021)を、1車両につき2名のパトロール員が巡回することで異常発見・作業・記録を行うというものです。しかし、施工されてから50年経過し老朽化が進んだ道路があったり、道路への落石や道路周辺の公共物の破損などがあったりと、手動で迅速に対処することが困難になっています。
また、労働人口の減少によりパトロール員の確保が困難になることが予想されます。
こういった背景から、道路パトロールのDX化は急務と言えるでしょう。
ドライブレコーダーから取得した映像をAIで解析
今回の実証実験では、ドライブレコーダーから取得した映像をAIで画像解析し、道路損傷箇所を自動検出します。さまざまな車両が搭載するドライブレコーダーからのデータを活用することで、道路パトロールにかかる人員を抑えたうえで、集積できるデータが圧倒的に増えるため、損傷エリアの予測や最適な予算配分による対処を実現できる可能性があるということです。
3年後の普及へ精度向上、巡回ルート自動出力も視野に
株式会社e-Gridは、損傷箇所の早期発見、見落とし防止、業務効率化など、多くの自治体が共通して抱える道路パトロールの課題を解決することを目指し、実証実験を実施します。同実験を通じ、統計データの解析精度を高め、3年後にはこのシステムを国内50自治体で250車両に導入することを目指すとのこと。また将来的には、効率的な巡回ルートを自動出力することも視野に入れて実験に臨みます。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000105966.html
(文・Higuchi)