同システムはスマートグラス・AI・ドローンの技術を融合したもの。従来口頭であった消防活動現場での情報伝達が、映像と位置情報を組み合わせることで、より正確でスピーディーなものに進化することが期待されます。
現場指揮のフローを乱さず、情報伝達をアップデート
近年、ドローンやXRなどの技術が普及していますが、救助活動の現場においては、これらの製品を単独で利用したとしても現場指揮の効率化への寄与は限定的だったそう。そこで同社は、技術を適切に統合することにより、現場指揮に最適なシステムとして構築。スマートグラスを使った救助支援システム「3rd-EYE」を開発しました。
同社と消防本部が連携し、現場の業務フローを崩さないように徹底的にこだわりながら、現場のニーズを取り入れたシステムとなっています。
指揮本部へリアルタイムに隊員の視界を共有できる
3rd-EYEでは、現場最前線の隊員が装着しているスマートグラスに搭載されたカメラで撮影した映像を、部隊内で共有できる「映像共有機能」を搭載。これにより、指揮本部は隊員が見ている光景をリアルタイムで確認でき、さらにその位置を地図上で特定できます。なおカメラのON/OFFは遠隔操作も可能なため、隊員は作業を中断せず現場に集中できます。
隊員も遠隔地から指揮板を確認可能
また、指揮本部タブレットのカメラで撮影した情報を、隊員が遠隔地から確認することも可能。隊員は、部隊内で共有された映像や指揮板を確認しながら、指揮本部が示す目標地点を地図上で明確に知ることができます。指揮本部では隊員の現在位置がリアルタイムで表示されるので、その行動を指揮本部で常時確認できるだけでなく、移動した軌跡が履歴として残るため、同じ場所を繰り返し捜索することが無くなり、より効率的な捜索活動が行えます。
要救助者の位置をスマートグラスへのAR表示で確認
3rd-EYEでは、スマートグラスへの直感的なAR表示により、他隊員の位置・目的地・要救助者の位置を、今見ている景色の中でどこにあるのかを示します。隊員が迅速に自身の状況をモニタリングできるだけでなく、隊員間の情報伝達ミスを防ぐことにもつながります。
ドローン映像をAIがリアルタイム解析して人影を地図に反映
さらに3rd-EYEでは、AIによるドローン映像のリアルタイム解析機能も搭載。ドローン映像をAIが解析し、含まれる人影を自動検出します。検出された人影は即座に地図に反映され、タブレットやスマートグラスでその位置と画像を確認することができます。救助支援以外での活躍にも期待
株式会社ロックガレッジは今後、3rd-EYEの普及を進めるとともに、消防組織の活動においてより便利なものになるよう改良を進める予定です。また、無線伝送の長距離化やさまざまな移動ロボットへの対応により、山岳遭難、点検や警備、害獣調査など他分野への応用を模索する構えです。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000036023.html
株式会社ロックガレッジ 公式サイト:http://rockgarage.tech
(文・Higuchi)