同試験を通じ、エアロダイングループが本社を置くマレーシアが抱える社会課題の解決に貢献する方針です。
マレーシアが抱える社会課題
マレーシアが抱える社会課題として、道路インフラが未整備で物資輸送にトラックが使えないなど、物流で多大な労力がかかることや、主力産業であるプランテーション農園のDXが挙げられます。しかし、現在のバッテリードローンの多くは30分程度の飛行時間、数kmの飛行距離しかなく、長距離飛行や広大な農園での利用には適しません。
そこでエアロダイン社が、長距離ドローンを世界中から探した結果、エアロジーラボの「AeroRangeQuad」を発見し、今回の協業が実現しました。
長時間飛行できる「AeroRangeQuad」
「AeroRangeQuad」は、超小型発電機で長時間飛行を可能にしたハイブリッド型ドローン「AeroRange」シリーズの1つ。剛性と軽量性を兼ね備えたボディにより、圧倒的な飛行性能に加え、飛行安全性も飛躍的に向上しています。また、カメラなどのさまざまなデバイスや多様なソフトウェアに対応。
このほか、ユニットごとに独立させた機体構造によりリプレイスやアップデートなどを容易にできること、アーム部分にフォールディング機構を採用することで機体をコンパクトに収納できることも特徴です。
飛行試験の概要と途中経過
今回の飛行試験は、マレーシア連邦セランゴー州営のセランゴーテストフィールドを舞台に、2023年5月に開始。直線で最大10km飛行可能な広大なテストフィールドで試験を行うことで、理論値ではなく実際値として最大飛行距離などの性能評価を行います。また、リモート会議を通してセットアップ指示やオペレーション講習、トラブルシューティングを行っており、メンテナンス性やオペレーションマニュアルの改善につながる示唆を得ながら、飛行試験を実施中です。
飛行試験の内容は、基本性能試験・目視外飛行試験(最大飛行距離、滞空時間など)・ユースケース試験(離島間物流、海上輸送、プランテーション農園での精密農業利用など)。これまでに基本性能試験を終え、すでに現地で2時間以上の飛行も達成しました。
今後は、ここまでの基本性能試験および長距離飛行の性能評価について総括を行った上で、実際のユースケースに即した飛行試験を行い、「AeroRangeQuad」の適性の評価する見通しです。
実用的な機体の開発・製造の加速へ
エアロジーラボは、「AeroRange」シリーズとして、「AeroRange PRO」と最新機体の「AeroRange G4-S」も提供しています。同シリーズは、目視外飛行を前提としたオペレーションで必須条件とされる、長時間飛行を可能にするハイブリッド型ドローンです。
目視外飛行の運用が解禁された今、同社はドローンの社会実装に向けて、実用的な機体の開発・製造を加速させる方針です。
参考元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000076956.html
株式会社エアロジーラボ 公式サイト:https://aerog-lab.com/
(文・Higuchi)